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ゲンノショウコ(現の証拠)

商品写真
上:大山 木沢渓谷 紅白のゲンノショウコ
中:大宇陀 森野旧薬園
下:上高地 白花

ゲンノショウコ(現の証拠)Geranium thunbergii Siebold et Zuccarini
 真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類 Rosids>アオイ群Malvis  
     フウロウソウ目Geraniales
      フウロソウ科 Geraniaceae フウロソウ属 Geranium

別名:フウロウソウ、ミコシグサ

生薬名  :ゲンノショウコ (現の証拠)、ゲンソウ(玄草)
利用部分 :全草(開花期直前に葉の付いている地上部を採取)
利用   :日本薬局方生薬 民間薬 
名前の由来:「現の証拠」実際に良く効くという。花の後できる種子は弾き飛ばされるが、
      弾き飛 ばした後の反り返った花柱の様子がお神輿の屋根の見えるのでミコシグサ。

ドクダミ、センブリとともに日本の民間薬の代表的な薬草、ゲンノショウコ。
多くの薬用植物の中でもすぐに効く、即効性という意味からゲンノショウコ(現の証拠)の名がつけられるなど、その薬効は昔から余程信頼されていたと思われる。古くから下痢止めの整腸薬として民間療法に用いられてきた。


日当たりの良い山野や道端などに普通に見られる多年草。7〜8月に可憐な5弁のピンク色または白色の花を咲かせる。野生または栽培の花期直前のものを抜き取り、根を除いて葉が落ちないよう陽乾する。昔からゲンノショウコは「土用の丑の日」に採取すると一番良いといわれてきた。開花期直前ごろが有効成分タンニンの含有量がもっとも高く、また花によって他の有毒なイチリンソウ、ニリンソウなどのキンポウゲ科の植物との見分けが容易につきやすい。類似のものとの見分けしやすい採取適期を示す昔の人の教えだ。

主成分はタンニンの一種、ゲラニイン。ゲラニインは十二指腸や小腸の蠕動運動を抑制し下痢止めとしての効果がある一方、大腸に対しては瀉下的に働くなど、相反する二面性を持つことから、お腹の薬調子の悪い時には、下剤にも、下痢止めにも、整腸薬として非常に重宝されている。
この薬草の特徴は、いくら飲んでも副作用がなく食欲も損なわない。普段から胃腸の弱い人はお茶代わりに飲んでいると胃腸の組織を引き締める。下痢、腹痛、便秘などの胃腸のほか、子宮内膜炎、はれもの、風邪引きなどにも効く。


高山の草原や山地で他の高山植物に混じって可憐で大振りなピンクの花をつけ、ひときわ目をひく植物でゲンノショウコの類似植物にハクサンフウロ、シコクフウロ、アサマフウロ、タチフウロ、エゾフウロなどのフウロソウ属 Geraniumがあり、いずれもタンニン(ゲラニイン)を含んでいる。

主な成分
  ・タンニン:ゲラニイン
  ・フラボノイド:クエルセチン、ケンフェロール
  ・没食子酸、
  ・コハク酸               など
主な効果
   整腸、下痢止め、便秘、しぶり腹、高血圧の予防、婦人病

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書(広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著(株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・原色和漢薬図鑑 難波恒雄著 (保育社)
  ・日本の薬草全書 中山草司 啓明書房
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 秋・冬 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・日本薬草全書 水野瑞夫、田中俊弘共著(新日本法規出版)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

ゲンノショウコの紅白について
ゲンノショウコは赤い花と白い花があるが、どちらも薬効に差はない。
厳密な分布の境界はないようで混生している場所もあるが、一般に西日本では赤花が東日本では白花が多く咲く。
なかなか覚えにくい。あれどちらだったかなと思うが、源平で覚えると忘れない。赤旗の平家は西日本、白旗の源氏は東国と私は覚えるようにしている。

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