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ヤナギ科
ヤナギ/セイヨウシロヤナギ(西洋白柳)
Photo:武田薬品 京都薬用植物園
ヤナギ/セイヨウシロヤナギ(西洋白柳)
Salix Alba
Linne
真正双子葉植物
Eudicots
>中核真正双子葉植物
Core Eudicots
>バラ類
Rosids
>マメ群
Fabids
キントラノオ目
Malpighiales
ヤナギ科
Salicaceae
ヤナギ属
Salix
別名:White Willow
鎮痛・解熱消炎剤、抗血小板剤 アスピリンの起原植物
利用部位
:樹皮、葉
利用
:植物起源医薬品(Drugs of plant origin) アスピリンの起原植物
名前の由来
:葉や樹皮の白さから
ヤナギ科は全て落葉性の木本で、雌雄異株、葉は単葉が特徴。木の姿は様々で直立して高さ30m、直径1mにもなる高木から潅木、また高山や亜寒帯ではコケ類などと一緒に生えて、草本と間違う程小さいものまで、実にさまざま。ヤナギの多くは北半球の温帯に分布するが、熱帯、寒帯にも、南半球にも少数分布する。
日本にはヤナギ属、オオバヤナギ属、ケショウヤナギ属の3属、150種が生育している。
セイヨウシロヤナギもヤナギ属の1種で、主にヨーロッパ各地の川岸などに自生する。北米にも自生し高さ25m、幹径50cmにも達する高木。葉は細長く長さ5〜10cm程、
葉の裏面は白い。樹皮も白くホワイトウィロー(White Willow)とも言われる。
古代ギリシャの医者、ディオスコリデスの著書の中に、痛みや熱に用いたことが記されているほど歴史は古い。アメリカの先住民の多くの種族の間では、発熱や頭痛、筋肉痛、悪寒に用いられていた。
有史以来、伝統的に多くの痛みや熱に用いられて来た“白い葉“をつけているヤナギだが、実際に薬効成分が抽出されたのは19世紀初め1827年。多くの種類があるヤナギを総括したヤナギ属 (Salix)サリックスに因みサリシンと名付けられた。しかし、サリシンの純粋な結晶化に最初に成功したのは、実際はヤナギからではなく、ヨーロッパから西アジアに分布するバラ科、シモツケソウ属の西洋ナツユキソウの葉から。
多くの科学者たちはヤナギに見られる鎮痛作用のある薬物を捜し求め、多くの植物をテストしていたところ、その中の一つにセイヨウナツユキソウがあった。その後、この成分は数種のヤナギの葉や樹皮からも発見された。発見されたサリシンを基に サリチル酸が合成されていった。しかしサルチル酸は非常な苦味と胃への負担が大きく問題点があった。
父親がリウマチを患っていたドイツ、バイエル社のフェリックス・ホフマン博士が父親の為、飲みやすく、しかも副作用の少ない薬の開発を志し1897年、サルチル酸のアセチル化に成功。アセチルサルチル酸が誕生した。サリチル酸のドイツ名はスピールゾイレ(spir saure:スピール酸)と云うが、スピールゾイレはセイヨウナツユキソウの昔の学名Spiraea ulmariaの属名Spiraeaに由来して名づけられた。アセチルサルチル酸はバイエル社によってアスピリンと名づけられ、この薬は世界で初めて人工合成された医薬品として今日に至るまで世界中で広く愛用されている。
ヤナギという、極、身近な存在の植物が私たちにもたらしてくれた大いなる恩恵の賜物といえる。
サリシンの起源植物
セイヨウナツユキソウ(西洋夏雪草)
Filipendula ulmaria
Maxim
真正双子葉植物
Eudicots
>中核真正双子葉植物
Core Eudicots
>バラ類Rosids>マメ群Fabales
バラ目
Rosales
バラ科
Rosaceae
シモツケソウ属
Filipendula
Photo:武田薬品 京都薬用植物園
ヨーロッパから西アジアに広く分布する。湿った草原に群生し草原の女王とも言われ見事な群落を形成する。その小さな白い花は繊細で美しい。
19世紀前半、セイヨウナツユキソウの葉や花から鎮痛作用をもつ成分が抽出され、当時シモツケソウ属に付けられていたSpiraeaに因みスピール酸と名付けられた。後の”アスピリン”へとつながる基となった。
シモツケソウの仲間の花はどれも1個1個の花は小さいが固まって咲くので、いずれも美しい。
同属植物に”シモツケソウ”や”キョウカノコ”、キョウカノコの白花品の”ナツユキソウ”、”オニシモツケ”がある。
(*詳細は、バラ科 セイヨウナツユクソウを参照)
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・世界を変えた薬用植物 ノーマン・テイラー原著 難波恒雄・難波洋子訳注 (創元社)
・製薬各社インタビューホーム
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
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トケイソウ科
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キントラノオ目Malpighiales
ヤナギ科Salicaceae ヤナギ属 Salix
別名:White Willow
鎮痛・解熱消炎剤、抗血小板剤 アスピリンの起原植物
利用部位 :樹皮、葉
利用 :植物起源医薬品(Drugs of plant origin) アスピリンの起原植物
名前の由来:葉や樹皮の白さから
ヤナギ科は全て落葉性の木本で、雌雄異株、葉は単葉が特徴。木の姿は様々で直立して高さ30m、直径1mにもなる高木から潅木、また高山や亜寒帯ではコケ類などと一緒に生えて、草本と間違う程小さいものまで、実にさまざま。ヤナギの多くは北半球の温帯に分布するが、熱帯、寒帯にも、南半球にも少数分布する。
日本にはヤナギ属、オオバヤナギ属、ケショウヤナギ属の3属、150種が生育している。
セイヨウシロヤナギもヤナギ属の1種で、主にヨーロッパ各地の川岸などに自生する。北米にも自生し高さ25m、幹径50cmにも達する高木。葉は細長く長さ5〜10cm程、葉の裏面は白い。樹皮も白くホワイトウィロー(White Willow)とも言われる。
古代ギリシャの医者、ディオスコリデスの著書の中に、痛みや熱に用いたことが記されているほど歴史は古い。アメリカの先住民の多くの種族の間では、発熱や頭痛、筋肉痛、悪寒に用いられていた。
有史以来、伝統的に多くの痛みや熱に用いられて来た“白い葉“をつけているヤナギだが、実際に薬効成分が抽出されたのは19世紀初め1827年。多くの種類があるヤナギを総括したヤナギ属 (Salix)サリックスに因みサリシンと名付けられた。しかし、サリシンの純粋な結晶化に最初に成功したのは、実際はヤナギからではなく、ヨーロッパから西アジアに分布するバラ科、シモツケソウ属の西洋ナツユキソウの葉から。
多くの科学者たちはヤナギに見られる鎮痛作用のある薬物を捜し求め、多くの植物をテストしていたところ、その中の一つにセイヨウナツユキソウがあった。その後、この成分は数種のヤナギの葉や樹皮からも発見された。発見されたサリシンを基に サリチル酸が合成されていった。しかしサルチル酸は非常な苦味と胃への負担が大きく問題点があった。父親がリウマチを患っていたドイツ、バイエル社のフェリックス・ホフマン博士が父親の為、飲みやすく、しかも副作用の少ない薬の開発を志し1897年、サルチル酸のアセチル化に成功。アセチルサルチル酸が誕生した。サリチル酸のドイツ名はスピールゾイレ(spir saure:スピール酸)と云うが、スピールゾイレはセイヨウナツユキソウの昔の学名Spiraea ulmariaの属名Spiraeaに由来して名づけられた。アセチルサルチル酸はバイエル社によってアスピリンと名づけられ、この薬は世界で初めて人工合成された医薬品として今日に至るまで世界中で広く愛用されている。
ヤナギという、極、身近な存在の植物が私たちにもたらしてくれた大いなる恩恵の賜物といえる。
サリシンの起源植物
セイヨウナツユキソウ(西洋夏雪草)Filipendula ulmaria Maxim
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabales
バラ目Rosales
バラ科Rosaceae シモツケソウ属Filipendula
Photo:武田薬品 京都薬用植物園
ヨーロッパから西アジアに広く分布する。湿った草原に群生し草原の女王とも言われ見事な群落を形成する。その小さな白い花は繊細で美しい。19世紀前半、セイヨウナツユキソウの葉や花から鎮痛作用をもつ成分が抽出され、当時シモツケソウ属に付けられていたSpiraeaに因みスピール酸と名付けられた。後の”アスピリン”へとつながる基となった。
シモツケソウの仲間の花はどれも1個1個の花は小さいが固まって咲くので、いずれも美しい。
同属植物に”シモツケソウ”や”キョウカノコ”、キョウカノコの白花品の”ナツユキソウ”、”オニシモツケ”がある。
(*詳細は、バラ科 セイヨウナツユクソウを参照)
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・世界を変えた薬用植物 ノーマン・テイラー原著 難波恒雄・難波洋子訳注 (創元社)
・製薬各社インタビューホーム
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)