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キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)  

商品写真
上、下:四国 剣山

キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)  Kirengeshoma palmate Yutabe
 真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
  ユキノシタ目Saxifragales
   アジサイ科Hydrangeaceae (ユキノシタSaxifragaceae)
     キレンゲショウマ属Kirengeshoma

利用   :観賞用 (天然記念物)
名前の由来:レンゲショウマ(蓮華升麻)に似て黄色いとの意味。(あまり似ていないが。)

宮尾登美子原作の小説「天涯の花」に出てくる花キレンゲショウマとして、一躍脚光を浴びた。
四国剣山に群生地がある事で有名。自生地は極めて限定され、天然記念物の指定を受けている。
一属一種の珍しい植物。葉の縁は掌状に浅く切れ込む。8月頃黄色の大きな花を横向けにつける。

1888年(明治8年)植物研究家が石槌山の谷筋で発見。東京大学の矢田部良吉氏にこの植物を見せたところ、一見しキンポウゲ科のレンゲショウマに似ているが、これまでにない新種として命名された。
種小名の palmata は「手のひら状」の意味。日本人によって発表された最初の「属」名。薬用にはならないが、ショウマの名がつき極めて珍しい花なので取り上げた。

名前の類似植物
レンゲショウマ(蓮華升麻)Anemonopsis  macrophylla Sieb et Zucc
       キンポウゲ科 Ranunculacea  レンゲショウマ属 Anemonopsis

     レンゲショウマ
     Photo:南アルプス鳳凰三山 中道コース登山道
ハスの花をうつ向けにしたような花と、葉の形や葉の付き方がサラシナショウマに似ていることからショウマの名がつく。キレンゲショウマ同様、一属一種、日本固有の植物。

ショウマの名がつく植物 ショウマいろいろ
いくつもの科にまたがり紛らわしいが、薬用にする漢方生薬のショウマは、キンポウゲ科のサラシナショウマ(晒菜升麻)のこと。
  ・キンポウゲ科:サラシナショウマ(晒菜升麻)、レンゲショウマ(蓮華升麻)
  ・ユキノシタ科:トリアシショウマ(鳥足升麻)、アカショウマ(赤升麻)
  ・バラ科   :ヤマブキショウマ(山吹升麻)
  ・アジサイ科 :キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)

などショウマの名がつくが所属する科が異なる。
薬用にサラシナショウマ(晒菜升麻)と同様、生薬”升麻”として使われるのはユキノシタ科のトリアシショウマ、アカショウマで、他は薬用としての共通点は無い。共通は葉が枝分かれして小葉が多数つくこと位。花はそれぞれ特徴ある花を咲かせる。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)



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