アカショウマ(赤升麻)

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上：鳥取県大山　阿弥陀堂付近の林
下：大山　横手道

アカショウマ(赤升麻) Astilbe thunbergii Miquel
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots
　　　　ユキノシタ目Saxifragales
　　　　　　ユキノシタ科Saxifragaceae　チダケサシ属Astilbe

生薬名　　：アカショウマ（赤升麻）　　　
利用部位　：根茎
利用　　　：ショウマの代用として薬用に、若葉を食用に。
名前の由来：地下茎が赤みをおびた色なので赤升麻の名がある。

本州以南の山地、明るい林の縁や草原に自生するユキノシタ科の多年草。草丈４０～８０ｃｍ程。
葉は長い柄があり３つに枝分かれし、それぞれに５～９枚の小葉をつける３回３出複葉。
小葉の付き方がサラシナショウマの小葉と似ているのでショウマの名がついている。又葉柄の基部に赤みがあることも、他の似た植物との区別になる。小葉は楕円形、先はとがり葉の縁はギザギザの鋸歯になっている。6～7月頃、小さな白色の５弁花が枝分かれした小花軸に穂状に多数付き、花の集団は円錐形になる。

根茎はトリアシショウマ同様、アカショウマ（赤升麻）としてサラシナショウマの根茎ショウマ（升麻）の代用生薬にするが、所属科も異なり、日本薬局方では代用にしていない。

ショウマの名がつく植物　ショウマいろいろ
いくつもの科にまたがり紛らわしいが、薬用で漢方薬に使うショウマ（升麻）はキンポウゲ科のサラシナショウマ（晒菜升麻）が該当する。

薬用にサラシナショウマ（晒菜升麻）と同様、生薬”升麻”として使われるのはユキノシタ科のトリアシショウマ（鳥足升麻）、赤アシショウマ（鳥足升麻）で、他は薬用としての共通点は無い。共通は葉が枝分かれして小葉が多数つくこと位。花はそれぞれ特徴ある花を咲かせる。（各科で採り上げ紹介します。）

　　・キンポウゲ科：サラシナショウマ（晒菜升麻）、レンゲショウマ（蓮華升麻）
　　・ユキノシタ科：トリアシショウマ（鳥足升麻）、アカショウマ（赤升麻）
　　・バラ科　　　：ヤマブキショウマ（山吹升麻）
　　・アジサイ科　：キレンゲショウマ（黄蓮華升麻）
などショウマの名がつくが所属する科が異なる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　夏　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

（コメント）
従来の分類ではユキノシタ科は草本、木本の多様な属を含んでいたが、遺伝子ＤＮＡを用いた植物の系統分類、ＡＧＰⅢ分類では木本性の植物全てと、草本性のいくつかの属が他の科に移動した。
新たなユキノシタ科ではチダケサシ属、ネコノメソウ属、チャルメルソウ属、ユキノシタ属、ズダヤクシュ属などが所属し、アジサイ属、ウツギ属、バイカウツギ属などはアジサイ科に移された。その他の属にも種々の再編が行われ、ユニノシタ科は大きく変った

アカショウマ(赤升麻)

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