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バラ科
アンズ(杏)
上・中:京都府立植物園 アンズの花
下:武田薬品 京都薬用植物園 青い果実と熟した果実
アンズ(杏)
Armeniaca vulgaris
Lam.var.
ansu
Maximowicz
真正双子葉植物
Eudicots
>中核真正双子葉植物
Core Eudicots
>バラ類
Rosids
>マメ群Fabids
バラ目
Rosales
バラ科
Rosaceae
アンズ属
Armeniaca
>(
←
サクラ属
Prunus
)
英名:アプリコット
キョウニン水、キョウニン油製造原料
生薬名
:
キョウニン(杏仁)
利用部分
:種子
適用
:日本薬局方生薬、漢方処方薬 食用
名前の由来
:armeniacaは 最初アルメニアからローマに伝わったことに由来。 杏は木+口
食べて美味しい実のなる木の意味で、杏の実「杏子」をそのまま中国読みしたもの。
中国原産の落葉高木。日本へは仁(杏仁)を薬として利用するため、中国から古い時代に渡来した。古くはカラモモ(唐桃)の名で呼ばれアンズの名で呼ばれるのは江戸時代からと言われている。花は梅より遅く、桜より早く、丁度中間頃、桜に似た花を咲かせる。果実は熟すると黄橙色になり核は果肉から外れやすくなる。日本では主に果樹として栽培される。
夏季、果実が熟した時に核をとり、乾燥させた後、9~10月頃、核を割って中の種子を取り出し乾燥させたものが、生薬のキョウニン。鎮咳剤、去痰剤とみなされる漢方処方に配合される。又キョウニン水の製造原料にされる。圧搾し先ずキョウニン油を採り、圧搾かすに水を加えて水蒸気蒸留しキョウニン水を製造する。
キョウニン水は気管支炎に伴う咳、痰の切れにくい咳に医療用に、また一般薬に配合される。
ただし、青酸配糖体アミグダリンを含んでいるので使用量は厳密に決められ、小児への投与は認められていない。
日本ではアンズは主として果樹として栽培され、杏仁は缶詰、乾し杏、ジャムの副産物として製造される。特に長野県はアンズの果物としての栽培が盛んで、生食にもされるが主に干し杏、ジャム、シロップ漬け、製果原料などに加工される。
熟した橙黄色から連想されるように、βカロテンを多く含む。その他カリウム、リンゴ酸、クエン酸を含み疲労回復、血行促進、抗酸化作用、高血圧予防などが期待できる
。
デザートに食べられる杏仁豆腐はよく知られている。元々杏仁豆腐は薬膳料理の一種で咳 喘息、乾性咳嗽の治療薬代わりが目的とするもの。
一方現在市販の杏仁豆腐は完全な嗜好品、デザートのようなものなので杏仁を粉末状にし、甘味などを加えた加工品「杏仁霜(きょうにんそう)」ではなく、安全面から同じような香りのするアーモンドエッセンスで香り付けをする。又アンズの実をつけた果実酒は杏露酒(しんるちゅう)として好まれている。
成分
配糖体:アミグダリン約3%、加水分解酵素エムルジン
脂肪油:リノレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、トリグリセライドなど
ステロイド:エストロン、エストラジオール
酵素;エムルシン
その他、ブドウ糖、果糖、クエン酸、リンゴ酸、ビタミンA、B
2
、C、鉄、リン など
応用
漢方処方用薬として鎮咳去痰薬に配合される。同じ薬効のマオウ(麻黄)と共に使われる。
代表的な漢方処方例
・麻黄湯 (まおうとう)
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
・杏蘇散 (きょうそさん)
・五虎湯 (ごことう)
・麻子仁丸 (ましにんがん) など
食品、果実酒に
”アンズには医療にまつわる有名な故事がある。
昔、中国の三国時代、呉の国の廬山に董奉(とうほう)という医者が住んでいて、貧しい人からは治療費の変わりにアンズの苗木を植えさせた。人道的な行いはやがてアンズの林になった。以来、杏林は医者ないし名医の尊称になったという故事。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
・新食品成分表 2017年 (東京法令出版株式会社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
(コメント)
従来アンズはウメ同様、サクラ属Prunusに属していたが、APGⅢの分類ではアンズ属
Armeniacaに変更になった。
尚、今までサクラ属の属名Prunusはサクラ属では使われなくなり、サクラ属はCerasusになり
Prunusはスモモ属を表すようになった。
旧称サクラ属Prurusより新属名になったのは次のような属がある。
モモ属Amygdalus、アンズ属Armeniaca、サクラ属Cerasus、バクチノキ属Laurocerasus、ウワズミザクラ属Padus など
したがってアンズの学名は
Prunus armeniaca Linnaeus var ansu Maximowiczバラ科Rosaceae サクラ属Prunus から
Areniaca vulgaris Lam.var.ansu Maximowiczに。サクラ属Prunusからアンズ属Armeniacaになった。
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ラン科
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ワスレグサ科
ヒガンバナ科
キジカクシ科
ヤシ科
ミクリ科
ガマ科
イネ科
ツユクサ科
バショウ科
ショウガ科
アケビ科
ツヅラフジ科
メギ科
キンポウゲ科
ケシ科
ハス科
タデ科
ナデシコ科
ヒユ科
ツルムラサキ科
ビャクダン科
ボタン科
ユズリハ科
ユキノシタ科
ブドウ科
フウロウソウ科
ミソハギ科
アカバナ科
フトモモ科
ハマビシ科
ニシキギ科
ヤナギ科
トケイソウ科
トウダイグサ科
オトギリソウ科
ヒルギ科
アマ科
キントラノオ科
カタバミ科
マメ科
ヒメハギ科
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センダン科
ミカン科
ミズキ科
アジサイ科
ツバキ科
カキノキ科
サクラソウ科
マタタビ科
リョウブ科
ツツジ科
トチュウ科
アオキ科
ムラサキ科
アカネ科
リンドウ科
キョウチクトウ科
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ヒルガオ科
モクセイ科
イワタバコ科
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ゴマ科
クマツヅラ科
ノウゼンカズラ科
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ハナイカダ科
モチノキ科
ウコギ科
セリ科
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バラ目Rosales
バラ科Rosaceae アンズ属Armeniaca>(←サクラ属Prunus)
英名:アプリコット
キョウニン水、キョウニン油製造原料
生薬名 :キョウニン(杏仁)
利用部分 :種子
適用 :日本薬局方生薬、漢方処方薬 食用
名前の由来:armeniacaは 最初アルメニアからローマに伝わったことに由来。 杏は木+口
食べて美味しい実のなる木の意味で、杏の実「杏子」をそのまま中国読みしたもの。
中国原産の落葉高木。日本へは仁(杏仁)を薬として利用するため、中国から古い時代に渡来した。古くはカラモモ(唐桃)の名で呼ばれアンズの名で呼ばれるのは江戸時代からと言われている。花は梅より遅く、桜より早く、丁度中間頃、桜に似た花を咲かせる。果実は熟すると黄橙色になり核は果肉から外れやすくなる。日本では主に果樹として栽培される。
夏季、果実が熟した時に核をとり、乾燥させた後、9~10月頃、核を割って中の種子を取り出し乾燥させたものが、生薬のキョウニン。鎮咳剤、去痰剤とみなされる漢方処方に配合される。又キョウニン水の製造原料にされる。圧搾し先ずキョウニン油を採り、圧搾かすに水を加えて水蒸気蒸留しキョウニン水を製造する。
キョウニン水は気管支炎に伴う咳、痰の切れにくい咳に医療用に、また一般薬に配合される。
ただし、青酸配糖体アミグダリンを含んでいるので使用量は厳密に決められ、小児への投与は認められていない。
日本ではアンズは主として果樹として栽培され、杏仁は缶詰、乾し杏、ジャムの副産物として製造される。特に長野県はアンズの果物としての栽培が盛んで、生食にもされるが主に干し杏、ジャム、シロップ漬け、製果原料などに加工される。熟した橙黄色から連想されるように、βカロテンを多く含む。その他カリウム、リンゴ酸、クエン酸を含み疲労回復、血行促進、抗酸化作用、高血圧予防などが期待できる。
デザートに食べられる杏仁豆腐はよく知られている。元々杏仁豆腐は薬膳料理の一種で咳 喘息、乾性咳嗽の治療薬代わりが目的とするもの。
一方現在市販の杏仁豆腐は完全な嗜好品、デザートのようなものなので杏仁を粉末状にし、甘味などを加えた加工品「杏仁霜(きょうにんそう)」ではなく、安全面から同じような香りのするアーモンドエッセンスで香り付けをする。又アンズの実をつけた果実酒は杏露酒(しんるちゅう)として好まれている。
成分
配糖体:アミグダリン約3%、加水分解酵素エムルジン
脂肪油:リノレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、トリグリセライドなど
ステロイド:エストロン、エストラジオール
酵素;エムルシン
その他、ブドウ糖、果糖、クエン酸、リンゴ酸、ビタミンA、B2、C、鉄、リン など
応用
漢方処方用薬として鎮咳去痰薬に配合される。同じ薬効のマオウ(麻黄)と共に使われる。
代表的な漢方処方例
・麻黄湯 (まおうとう)
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
・杏蘇散 (きょうそさん)
・五虎湯 (ごことう)
・麻子仁丸 (ましにんがん) など
食品、果実酒に
”アンズには医療にまつわる有名な故事がある。
昔、中国の三国時代、呉の国の廬山に董奉(とうほう)という医者が住んでいて、貧しい人からは治療費の変わりにアンズの苗木を植えさせた。人道的な行いはやがてアンズの林になった。以来、杏林は医者ないし名医の尊称になったという故事。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
・新食品成分表 2017年 (東京法令出版株式会社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
(コメント)
従来アンズはウメ同様、サクラ属Prunusに属していたが、APGⅢの分類ではアンズ属
Armeniacaに変更になった。
尚、今までサクラ属の属名Prunusはサクラ属では使われなくなり、サクラ属はCerasusになり
Prunusはスモモ属を表すようになった。
旧称サクラ属Prurusより新属名になったのは次のような属がある。
モモ属Amygdalus、アンズ属Armeniaca、サクラ属Cerasus、バクチノキ属Laurocerasus、ウワズミザクラ属Padus など
したがってアンズの学名は
Prunus armeniaca Linnaeus var ansu Maximowiczバラ科Rosaceae サクラ属Prunus から
Areniaca vulgaris Lam.var.ansu Maximowiczに。サクラ属Prunusからアンズ属Armeniacaになった。