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ナシ（梨）

商品写真
上：徳島　上板野
中：信州　飯田市　果樹園栽培風景
下：信州　中野　ナシの果実

ナシ（梨）Pyrus 　pyrifolia　Nakai var. culta　Nakai
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　　バラ目Rosales
　　　　　　バラ科 Rosaceae ナシ属 Pyrus

　果樹の中で栽培の最も古いものの一つ

利用部位　：�＿綿�　�⇒�
利用　　　：�／�用　�¬�用
名前の由来：果肉が白いのでナカシロ（中白）の略とも、風があると実りにくいので風ナシとも、
　　　　　　ナカス（中酸)とも、などの諸説ある。

ナシの品種を大別すると、日本ナシ、中国ナシ、西洋ナシの3つに分類される。古代の梨はヤマナシ（ニホンヤマナシ）と呼ばれ現在のナシと同型だがはるかに小さく直径２〜３ｃｍ程の大きさ。食べると結構美味しい。登呂遺跡などから種が多数発掘されるなど果物として古代から好まれていたことが伺える。万葉集にも、ナシを題材にした、歌が３首、収載されている。

現在私たちが食べている多くのナシ、日本ナシは日本中部以南、朝鮮半島南部、中国長江沿岸が原産のヤマナシ（ニホンヤマナシ）から幾世代にわたり改良した日本独特の果物もの。
果物の皮色により赤梨系、青梨系に分けられる。赤梨系は「長十郎」青梨系では「二十世紀」がそれぞれ代表品種。
１０世紀以前から全国各地で小規模に栽培されていたと考えられているが、栽培が本格的に始まったのは、江戸時代中期といわれている。現在流通されているナシは、明治２０年代後半に長十郎、二十世紀の品種が発見され、大正時代に入ってから数々の新品種が発見されから本格的に栽培が盛んになった。

ナシはシャキシャキした歯ざわり、豊富でさっぱりした水分などが多くの人に好まれている。また栄養価も高く、カリウムやアスパラギン酸、クエン酸、リンゴ酸、食物繊維、糖質ソルビトールを含む。カリウムは体の余分な塩分（ナトリウム）を排泄してくれるので、むくみなどがある高血圧の人には効果的。
そのほか清涼、止渇、疲労回復、咳、痰、解熱、のどの痛み、消化促進、二日酔いに良いと言われている。
葉はアルブチン、タンニンを含み利尿作用と尿路殺菌作用があり、収斂性利尿薬としてウワウルシの代用品にすることができる。

Photo中：信州　飯田市　ナシの果樹園
　　　果樹栽培が盛んな地方なので、いたるところにリンゴ、ナシの果樹栽培風景が見られる。
　　　収穫、手入れがしやすいように低く棚状に仕立てている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・万葉の植物　松田　修著　（保育社）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）
　　・山渓カラー名鑑　日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・新食品成分表　２０１７年　(東京法令出版株式会社)
　　・ 植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

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