セイヨウミザクラ(西洋実桜)/サクランボ

商品写真
上・中:大阪市立長居植物園
下:長野県妙高山麓の果樹園 赤いのは佐藤錦、黄色は月山錦

ミザクラ(実桜)
セイヨウミザクラ(西洋実桜)Cerasus avium (Linne ) Moench
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
   バラ目Rosales
      バラ科 Rosaceae  サクラ属 Cerasus(Prurus)

 別名:オウトウ(桜桃)、スイートチェリー
 果実はサクランボ(桜坊)


利用   :食用
名前の由来:サクランボは「桜の子=坊」で「さくらのぼう」が訛りで「さくらんぼう」と言う
      ようになった。西洋原産の実のなるサクラからの名。

多くの花を観賞するサクラは小さな実がなるが、熟しても食べれない。実を食べるサクラ、果樹のサクランボの木はミサクラ(実桜)といいヨーロッパからアジアにかけて野生する品種。カンカ(甘果)系とサンカ(酸果)系があり、カンカ(甘果)系は殆ど生食用に。サンカ(酸果)系は主として、缶詰めや果実酒に使われる。
ヨーロッパ各地では果実を食べるため甘果系が栽培され、多くの品種が作られている。
日本へは明治初年、当時の勧業寮が殖産のため、果樹、作物を輸入しそれらの苗木や種子を全国に配布し、試作させたのが最初。
ヨーロッパ原産種は夏に雨の少ない、地中海性気候を好むので、日本では山形県、福島県などの東北地方や長野県、北海道が栽培適地になっている。中でも山形県が生産量の70%を占めている。

サクランボの鮮やかな赤は、アントシアニンやβカロテンで抗酸化作用があり、アンチエイジングや眼の機能をたかめるに役立つ。サクランボの甘さはショ糖の他、ソルビトールの含有が多く便秘に効果があるとされている。ビタミンCを初め葉酸、鉄分を多く含んでいるので、造血を促し貧血防止に役立つ。

主な成分
 果糖、クエン酸、リンゴ酸 βカロテン ビタミンC 葉酸 鉄、カリウム、カルシウムなど 

参考文献  
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 (柏書房)
  ・食材事典 原田孝子監修 (学研)
  ・食材図典 (小学館)
  ・新食品成分表 2017年  (東京法令出版株式会社)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)

(コメント)
従来の分類(Synonym)ではサクラ属はPrunusと表記されていたがAPGⅢの分類ではサクラ属はCerasusに従来のPrurusはスモモ属を表すようになった
旧称サクラ属Prurusより新属名になったのは次のような属がある。
モモ属Amygdalus、アンズ属Armeniaca、サクラ属Cerasus、バクチノキ属Laurocerasus、ウワズミザクラ属Padus。
したがってセイヨウミザクラの学名は、APG分類ではPrunus avium (Linne ) から(Cerasus avium (Linne ) Moench に変更になっている。

科目別の一覧