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ビワ（枇杷）

商品写真
上：伊賀上野　芭蕉生家　ビワの花　
中：島根松江城　たわわに実った果実
下：山之辺の道

ビワ（枇杷） Eriobotrya　 japonica　Lindiey
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　　バラ目Rosales
　　　　　バラ科 Rosaceae　 ビワ属 Eriobotrya

別名：大薬王樹

実は食用に、葉は薬用に

生薬名　　：ビワヨウ（枇杷葉）
利用部位　：�〕奸´�果実
利用法　　：�‘�本薬局方生薬　漢方処方用薬　民間薬　�⊃�用(生食、加工品に）　
名前の由来：葉の形ないしは実の形が楽器の琵琶に似ていることから。

中国中南部、揚子江流域や日本の関東以西に野生している常緑高木。野生種の果実は小さく、直径２ｃｍ位にしかならないため品種改良された果樹の栽培が定着している。樹木として耐寒性はあるが、果実は寒害を受けやすく、温暖な気候で水はけの良い土壌が選ばれている。日本では四国が主な生産地となっている。
ビワはバラ科の花にしては珍しく初冬、晩秋１１月頃、全体茶色の綿毛に包まれた蕾をつけ、白い地味な花を咲かせる。香りの良さでビワはバラ科なのだということを実感する。この花は１月頃まで咲きつづけ、初夏５〜６月頃、卵型をした黄橙色の実になる。結実までの期間が割合長い。初夏の訪れを告げる果物としてそのまま食用されるだけでなく、ビワは別名「大薬王樹」といわれるだけあって実だけでなく葉もお茶にしたり、浴剤として風呂に入れたりと多岐にわたり、民間薬として重宝される。
長楕円形の厚く固い葉の上面は濃い緑色をしているが、裏面は淡緑褐色で短い綿毛が生えている。

葉、ビワヨウ（枇杷葉）は全形、又は短冊形に切断したものを利尿、止渇、浴剤などの民間薬にする。昔(江戸時代末頃）は葉を煎じたものに、ショウガ科のシュクシャの種子、シソ科カワミドリの茎葉のカッコウ、バラ科のカリンを加えたものを枇杷葉湯とよんで暑気払いにしていたと伝えられている。

果実はカロテン、レチノール、カリウム　抗酸化作用のあるポリフェノールなどが含まれる。
生食が殆どだが、ジャムやゼリー、ジュース、果実酒に利用できる。

成分
　・トリテルペノイド：ウルソール酸、マスリン酸、オレアノール酸
　・セスキテルペン：ネロリドール
　・その他ポリフェノール、フラボノイド、アミグダリン、タンニン、有機酸を含んでいる。
主な効果
　　　消炎、鎮吐、排膿、利尿作用
応用
　　漢方薬に鎮咳、去痰、及び鼻炎を治す処方に配合されている。
　　　漢方処方例
　　　　・辛夷清肺湯（しんいせいはいとう）

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）
　　・日本の薬草全書　中山草司　啓明書房
　　・山渓カラー名鑑　日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・新食品成分表　２０１７年(東京法令出版株式会社)
　　・原色和漢薬図鑑　難波恒雄著　（保育社）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

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