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ハマナス、ハマナシ（浜梨）　

商品写真
上：北海道　阿寒湖湖畔背景の山は雄阿寒岳
中：阿寒湖湖畔
下：ハマナスの実　

ハマナス、ハマナシ（浜梨）　Rosa rugose　Thunberg　
　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　　　　バラ目Rosales
　　　　　　　バラ科 Rosaceae 　バラ属 Rosa

北国の野バラ　ローズ油を採取

利用部位　：�＿屐´�果実　��根
利用　　　：�．蹇璽彩�製造、民間薬　�⊃�用　��植物染料として染色に
名前の由来：浜（海岸の砂地）に生え、熟した果実は甘酸っぱく美味しい。ナシ（梨）に似た形を
　　　　　　していることから「ハマナシ　浜梨」という名が付けられ、それが訛ってハマナスに
　　　　　　なったと言われている。

「知床の岬にハマナスの咲く頃・・」知床に咲くハマナスの歌、旅情と郷愁を漂わせた「知床旅情」は一世を風靡した。ハマナスは北国の海岸を彩る美しくも香り高い花である。
東アジアの亜寒帯から温帯に分布し日本では、北海道、東北、北陸の海岸に自生する。北海道の花に指定されている。いわゆる県花である。
花は枝の先に１花、又は２〜３花咲き普通は５弁、紫紅色をしている。
時に白色のシロバナハマナスforma　alba　Ware　があり、八重になったものもある。
香り高い花からはローズ油がつくられ、香水や香料として用いられる。また矯臭剤として薬に配合される。ローズ油は早朝、セイヨウバラ(多くの品種がある)の半ば開いたばかりみずみずしい花を水蒸気蒸留し、さらに留液を再蒸留し濃縮して得るなどしている。我国では北海道の野生のハマナスの花からローズ油を製造する。
中国ではハマナスの近縁種、マイカイ(玟瑰)が野生し、花をお茶(紅茶)の賦香料にしている。ハマナスにマイカイ(玟瑰)を当てるのは無理がある。
枝は密集した棘でおおわれている。夏２ｃｍ位の実がなり秋に赤く熟す。この実はビタミンＣを多く含み、生で食べてもよいがジャムやジーュスや果実酒と活用される。また根にはタンニンを含んでいるので、煎じ汁をそのまま染めれば赤褐色に、石灰や灰汁を加えると濃い色に、鉄分を加えると黒褐色に染め上る。黄八丈の一種、秋田八丈はハマナスの根を煮出しで染めたもの。
海外ではこの日本の野生バラ、ハマナスが早くから注目され、他のいろいろのバラとの交配に多く利用され、香り高く姿の美しい改良種が数多く生み出されている。海外ではrugosa rose または　
japanese　roseとも呼ばれている。

成分　
　精油成分：ゲラニオール、シトロネロール、リノロール、オイゲノールなど

近縁種
シロバナハマナス（白花花梨）　Rosa forma alba Ware

ハマナスシロ
Photo：大阪市立長居植物園　白いハマナスの花

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・山渓カラー名鑑　日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・花とかおり　　外山孟生著　（塩野香料株式会社）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）


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