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ワレモコウ(吾亦紅)

商品写真
上・下:木曽 御嶽山五合目

ワレモコウ(吾亦紅)Sanguisorba  officinalis  Linne  
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
    バラ目Rosales
      バラ科 Rosaceae ワレモコウ属 Sanguisorba

  秋空に生える雅趣ある花

生薬名  :チユ(地楡)
利用部位 :根茎 根
利用   :漢方薬処方用薬 民間薬
名前の由来:根が木香に似ていることからわが国(日本)の木香の意味。
      「木香」とはお香の原料になる、インド原産のキク科の植物の根で強い芳香がある。
      木香の名の由来だが、ワレモコウに匂いはない。吾木香から吾亦紅に変化。

初秋の高原に暗紅色の吾亦紅の丸い花穂がゆれる。ススキと共に日本の秋を代表する山野草の1つ。日本人好みの野趣あふれる趣のある花である。
日本全土の山野に自生するバラ科の多年草。東アジアからヨーロッパまで広く分布している。
草丈は1m程。茎は直立し上部で枝分かれする。葉は奇数羽状複葉、小葉が見たところニレ(楡)に似ているのでチユ(地楡)という漢名がある。
8月から秋にかけ細い花茎を伸ばし先に小花が丸く集まった穂状の花を咲かせる。バラ科の花ではあるが、花弁は退化していて、4裂する萼片が花弁に見える。上から順に下へ咲き下る
根茎を乾燥させたものを漢方でもチユ(地楡)といいタンニンとサポニンの一種を含み、収斂止血薬にする。
ワレモコウ属 Sanguisorbaの属名サングイソルバはラテン語で「血を吸収する」という意味で、西洋でも古くから止血薬として使用されていたことがうかがえる。


成分
  タンニン、サポニン(Sanguisorbin 、加水分解しSanguisorbigeninになる)
用途
  止血、収斂として吐血、月経過多、喀血などに用いる。
  皮膚炎、湿疹、切り傷、火傷にも煎じた液で洗うなど外用に効果がある。
  民間では煎汁を咽頭炎、扁桃腺腺炎などにうがい薬として外用する
 漢方処方例
   ・清肺湯(せいはいとう)
   ・槐角丸(かいかくがん)    などに配合されている。
参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 秋、冬 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・薬になる花 田中孝治    (朝日新聞社)
  ・日本薬草全書 水野瑞夫、田中俊弘共著(新日本法規出版)
  ・野草図鑑 秋 (北隆社)
  ・原色和漢薬図鑑 難波恒雄著 (保育社)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)

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