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ハコベ(繁縷)

商品写真
Photo:四国第18番札所 恩山寺山門前 
5弁の花弁に深い切れ込みがある。

ハコベ(繁縷)Stellaria media Cyrillus  
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
    ナデシコ目Caryophyllales
       ナデシコ科 Caryophyllaceae ハコベ属Stellaria
  
古名:ハコベラ
  
 春の七草の一つ
生薬名  :ハンロウ(繁縷)
利用部位 :全草(採集はいつでも可、季節を問わず採取)   
利用   :民間薬、食用 
名前の由来:諸説あるが「はびこる」が語源ではないか、また漢名の繁縷を当ててハコベラと
      読ませていたが、次第にラが取れたのではとの事

春先の野原、田畑、路傍いたるところに自生する2年草。春先いち早く軟らかい草を茂らせ、白い5弁の小さな花を咲かせる。花はあまりにも小さいので、しみじみ注意してみることは無いが花弁が深く2裂しているので10弁あるように見える。ヒヨコグサ、スズメクサの俗称があるほど、小鳥が喜んで食べる草だ。小鳥のみならずヒトも軟らかく淡白な味を好んで食べる。

春の七草の一種。春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ (コオニタビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)をいう
七種の野草を粥にして無病息災を願って、正月七日の朝に食べる。現在は七草を野に出て摘むのは難しいが、七草のセットがスーパーなどで売られているので簡単に手に入る。ゆでて酢の物、和え物に、又おつゆの具材にも利用でき重宝される。

全草が薬草でカルシウムや鉄などのミネラル、タンパク質、ビタミンB、ビタミンCなどに富む。
浄血、利尿効果があり産後の催乳作用もある。
乾燥葉を炒って塩と混ぜて造った”ハコベ塩”で歯を磨くと、"歯ぐき"の出血や歯槽膿漏の予防になる。葉緑素もふくまれるので一層の効果が期待できる。



花弁が2つに深く切れ込み実際は5弁の花が10弁の花に見える シコタンハコベ

シコタンハコベ(色丹繁縷)Stellaria ruscifolia Pall
    ナデシコ科Caryophyllaceae ハコベ属 Stellaria
     シコタンハコベ2
        Photo:京都府立植物園 高山植物室  高山植物

北海道、千島、樺太、オホーツク・カムチャッカに分布
本州では中部地方の高山の砂礫地や岩場に自生する多年草。平地でよく見かけるハコベと同属だが花は直1.5cmほど、ハコベに比べ大きく花弁は深く切れ込みが鮮明に見える。ハコベの花はシコタンハコベほど深く切れ込まない。高山植物なので薬用などの実用面は無いがハコベの花との比較に採り上げた。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・美味しい山菜 おくやまひさし(文一総合出版)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)

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