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イヌビワ（犬枇杷）

商品写真
上：西表島
中：高知　とんぼ公園
下：宮崎　日向岬　熟しかけたイヌビワの果嚢

イヌビワ（犬枇杷）Ficus erecta Thunb
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　　バラ目Rosales
　　　　　クワ科Moraceae 　イチジク属Ficus
　
　別名：イタビ、イタブ、チチノキ

利用部分　：�＿娘臓´⇒�
利用　　　：�／�用　�∋�料
名前の由来：ビワと比べた名で、ビワに似るが小さく味もそれ程ではないの意味からイヌが付く。
　　　　　　実や枝を傷つけると、白い乳汁が出るのでチチノキ。
　　　　　　種小名の erecta は「直立した」という意味。

ビワの名が付くがむしろイチジクに似ている。
日本では関東地方以西、九州、四国、沖縄に、また台湾、済州島などの暖地にも分布する。有史以前から日本に自生し、万葉集にもイヌビワを詠んだと思える歌が登場する。
高さ２〜３ｍ程のクワ科、イチジク属の落葉低木。枝は横へ広がる。雌雄異株。葉は互生し、４〜６月頃、新枝の葉腋に丸い袋状の花嚢をつける。花はこの花嚢の内側にあるので見ることはできない。花粉を媒介するイチジクコバチ科のハチ（イヌビワコバチ）との共生関係が知られている。
秋に雌花嚢は直径１.５〜２ｃｍ程の果嚢となり、暗紫色に熟すると甘くなり食べられる。南国の子供たちへの山からの贈り物になる。
しかし雄木の果嚢は赤くなるが硬く食べれない。若芽は食用にもなり、家畜の飼料に出来る

万葉集の大伴家持の歌
・ちちの実の命（みこと）　ははそはの母の命（みこと）おおらかに・・・巻１９　４１６４
・ははそはの母の命は御裳のすそつみ挙げ掻き撫で　ちちの実の父の命は栲綱（たくづぬ）の
　　・・・巻２０　 ４４０８
　　という長歌に登場し、いずれもチチの実は父の命（みこと）の枕詞に使われる。チチの実が何を指すのかにはイチョウ説とイヌビワ説があったが、今日ではイヌビワのことだとするイヌビワ説が定説になっている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・万葉の植物　松田修著（保育社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）
　　・日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・花と樹の事典　木村二郎（柏書房）
　　・食材事典　廣田孝子監修　（学研）


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