ホップ

商品写真
上・中：日本新薬　山科植物資料館　雌花と結実しかけの毬果、下は毬果
下：丹波市立薬草薬樹公園

ホップHumulus lupulus Linne　
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　　バラ目Rosales
　　　　　アサ科Cannabaceae（ ←クワ科 Moraceae ） カラハナソウ属Humulus

　　別名：セイヨウカラハナソウ

　　ホップはビール醸造に必須

利用部位：雌花穂（成熟前の）
利用　　：薬用、ビール醸造原料

「ホップはビールの魂だ」といわれている程、ビールには必須の原料となっている。ホップは多年生のつる性植物、葉はブドウの葉に似ていて周囲のものに蔓を巻きつけ延びていく。支柱を立て絡ませて育てられる。雌雄異株で、ビール醸造に利用するのは雌株の淡い緑色の雌花で7月頃開花する。生産地では雌株だけを栽培する。雌花の子房から、白色の長い棒状の柱頭が突出する。ブラシのように見える様子から毛花という。花後、柱頭は枯れ落ち内苞、外苞が成長し燐片状に重なり毬花になる。

ビールにはこの毬花を使う。この雌花花穂がビールに特有の香り苦味を与えるホップで、８月〜９月松かさ状に成熟した毬花を摘み取りビール会社に納める。

成熟した毬花内部の基部や子房を包む花被表面に花粉に似た顆粒が沢山附いている。いわゆるホップ粉、ルプリンで苦味質や芳香油を含んでいる。ビールに特有の香りと爽やかな苦味とともにビールのあわ立ちを良くする働きもある。又、毬花の苞や中軸にはタンニンを含み、蛋白質を沈殿し濁りを押さえる事でビールを清澄にする働きをする。
ホップに含まれるフムロン、ルプロンは有害菌の生育を抑えるなどビール製造には必須の原料となっている。ビールの味わい以外にも鎮静、催眠、食欲増進、消化促進、利尿などの薬効があり、欧州などでは苦味健胃薬、鎮静薬に用いる。

ホップの毬果　
　　　　　ホツプ毬果
松かさ状の鱗葉を広げると、内面の基部に黄色い粉末状の腺体（ホップ腺）が見える。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント)
ホップは従来日本で普及し長年慣れ親しんできたエングラーなどの分類体系ではクワ科 Moraceae　カラハナソウ属 HumulusであったがDNAに基づくAGP�景�類ではアサ科Cannabaceae カラハナソウ属humulusに変更になった。

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