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ギシギシ(羊蹄)

商品写真
Photo:花博記念 鶴見緑地公園  花、茎や葉は緑色

ギシギシ(羊蹄)Rumex japonicus Houttuyn 
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
   ナデシコ目Caryophyllales
     タデ科 Polygonaceae  ギシギシ属 Rumex

生薬名   :ギシコン(羊蹄根)ギシダイオウ(羊蹄大黄)
利用部位  :根
利用    :薬用、民間薬
名前の由来 :諸説あり定かではないがギシギシの古い名は単にシ。味がすっぱいのでスイと言って
      いたのが縮まりシに、中国では同じ植物に羊蹄という漢字が使われていたため、
      シに羊蹄の字を用いたらしい。「羊蹄」の漢字は漢名から。

全国各地の野原や畑のあぜ道などやや湿った良く日の当たるいたる所に自生する多年草。
茎や葉は緑色をしているが、太い根は黄色。アントラキノン配糖体、オキシアントラキノンを含む。成分としてはダイオウに近いものとして大黄の偽物に用いる。根はギシコン(羊蹄根)と呼ばれ便秘薬になる。6〜7月頃茎の先に緑色の小さな花をつける。
スイバによく似るが、スイバより大型で、下の方の葉には葉柄がある。又、スイバの花は赤みがかるので区別ができる。
春先、若葉を山菜として食用にするが、シュウ酸を含んでいるので多食はしないほうが良い。

民間薬に、根をすりつぶして皮膚病に外用する。類似植物のスイバも同じ。

ー羊蹄山ー
植物のギシギシとの関連は分からないが、山名に羊蹄の字がつく山、北海道に日本百名山の一つに挙げられる羊蹄山(後方羊蹄山)がある。 後方羊蹄山(しりべしやま)、後方を「しりべ」、羊蹄を「し」と読むのが本来だが、難しく現在は羊蹄山(ようていざん)と読み通称になっている。
元々はこの山はアイヌ語でマテネシリ(女山)と呼ばれ、麓を流れる川の名はアイヌ語名のシリ・ペッ、これに由来してこの川周辺の地域名を和名で後方・羊蹄 (しりへ・し=しりべし)と言っていた。
これが一際目立つ山、マテネシリ(女山)を指すようになり、後方羊蹄山(しりべしやま)という山名になったという説がある。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男監修 (主婦の友社)
  ・野草の名前 春 高橋勝雄 (山と渓谷社)
  ・日本の薬草全書 中山草司(啓明書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
  ・花と樹の事典 木村二郎(柏書房)
 

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