名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

ソバ(蕎麦)

商品写真
上:徳島県上板町 満開のソバ畑 
中・下:大阪薬科大学薬用植物園

ソバ(蕎麦)Fagopyrum esculentum Moench 
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
   ナデシコ目Caryophyllales
     タデ科 Polygonaceae ソバ属Fagopyrum

  ソバ粉の原料

利用部分 :種子
名前の由来:ソバは古名、ソバムギの略でソバは稜の意味。角のあるムギに由来した名。

中央アジア原産、ソバの歴史は古く、縄文遺跡から花粉が確認されていることからすでに大陸から伝来していたのだろう。
ソバは寒冷な痩せ地でも良く育ち、生育期間も2〜3ヶ月と短いことから山間部でよく栽培されている。救荒植物とて最適な作物になりえる。高原の爽やかな風に揺らぐソバ畑は夏から秋にかけて一面の真っ白な花に覆われる。花には蜜腺がありミツバチを誘う蜜源植物のひとつでもある。秋、結実した実は完熟すると褐色から黒色になる。この実(種)を挽いてソバ粉が作られる。

穀物として利用する澱粉は殆どイネ科の植物由来であり、ソバのようにタデ科のものは珍しい。
全草に毛細血管の浸透性をよくするルチンを含むため、高血圧症によいとされている。
ソバ粉の基礎成分として、蛋白質、脂質、粗繊維、ビタミンC、ビタミンE、脂質や糖質の代謝を促すビタミンB、Bも多くエネルギー代謝が活発になる。B6、鉄、カルシウム、亜鉛、銅などミネラルも多く含むなど栄養価が高いが、低カロリーの健康食品。


製麺したソバ粉を練った塊状のものをソバがきにしたり、練ったソバ粉を麺状にしたそば麺(そば切り)にしたり、小麦粉とブレンドして多種多様な食品として食用とされる(例として、そばまんじゅう、そばボーロなどがある)。
特に縁起ものとして大晦日に「年越しソバ」を食べる習慣がある。ソバをなぜ食べるか諸説あるが、一説では昔、金箔職人が金箔の破片の散ったものを集めるのにソバの粘着性を利用したことから「金銀を吸い寄せる」に通じるからともいわれている。
尚、ソバアレルギーの人もいるので食品衛生法によるアレルゲンの特定原材料7品目の一つとして表示が義務付けられている。

赤い花のソバ
    ソバ赤
   Photo:御嶽山五合目 ロープウエイ山麓駅 赤い花の赤そば。

     アカソバ明日香
   Photo:明日香村 石舞台古墳付近の畑

ヒマラヤ原産の赤い花の咲くソバ。一面ピンク色に染まったアカソバ畑は白い花とは異なった華やかな美しさを見せてくれる。
作物としては白いソバに比べ収穫量は少ないが、鮮やかな赤がむしろ園芸用には好まれ、観賞用にも植えられる。

参考文献
   ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
   ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
   ・花と樹の事典 木村二郎(柏書房)
   ・食材事典 廣田孝子監修 (学研)
   ・食材図典(小学館)

科目別の一覧