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リュウキュウアイ(琉球藍)

商品写真
Photo:日本新薬 山科植物資料館 温室

リュウキュウアイ(琉球藍)Strobilanthes cusia (Nees) Kuntze  
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
 シソ目Lamiales
     キツネノマゴ科Acanthaceae イセハナビ属Strobilanthes

生薬名  :セイタイ(青黛)
利用部分 :茎葉 
利用   :藍染め染色、薬用、健康食品
名前の由来:沖縄の藍の意味

天然の藍原料植物、藍染に用いられる植物は日本ではタデ科のタデアイ(アイ)だが、全く異なった科に属する植物も藍染の元になるインジゴを含むものがある。マメ科コマツナギ属のインド藍、アブラナ科タイセイ(大青)、キツネノマゴ科のリュウキュウアイなどが藍原料植物として、藍染に用いられる。

リュウキュウアイは、沖縄、台湾から中国大陸南部、インドシナ、タイ、インドベンガル地方などに分布する。高さが50cmを超える事もある常緑草本。肉厚な葉は濃い緑色、紺色の染料をとる植物に共通するように葉を乾燥すると青黒くなる。花は茎頂の短い花穂にやや横向けに淡い紫色の唇形の花を咲かせる。
葉に配糖体インジゴを含み、葉を採集しインジゴを浸出して、泥状の藍玉を製造し染料にする

5〜6月の雨季と10〜11月の冬期の年2回に刈り取り、水槽に入れ発酵させる。空気が十分入るよう攪拌し発酵を更に促す。1週間ほどで藍の色素は水中に溶け出すので、これに石灰を加えして日光に当て発色させると、薄い緑色が濃い藍色に変化する。これをゆっくり沈殿させ布でこすと泥藍できる。染色工場に送られ藍染めに使われる。
琉球王朝時代、リュウキュウアイは沖縄の染色植物としてフクギとともに繁用されてきた。しかし現在は合成染料に押されごく一部で栽培やその製法が受け継がれているのみになっている。
枝葉や根には解熱、消炎効果や防虫効果があるといわれている。
中国ではリュウキュウアイやホソバタイセイから青黛(せいたい)というインジゴを含む生薬を造り潰瘍性大腸炎に用いていた。
国内でもその有効性が期待され健康食品などに取り入れられている。しかし青黛(せいたい)を摂取した人の中に、肺動脈性肺高血圧の発症例が報告された事から厚労省は平成28年12月に注意喚起を促している。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
  ・厚生労働省ホームページ


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