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アブラナ(油菜）

商品写真
上：日比谷公園
中・下：伊豆河津川　土手の桜は河津桜
下：花博記念公園　アブラナの種

アブラナ(油菜）Brassica rapa L. var. nippo-oleifera　Kitamura
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　アブラナ目Brassicales
　　　　　アブラナ科 Brassicaceae　アブラナ属 Brassica

別名：ナタネ（菜種）ナノハナ

春の訪れを告げる花　ナノハナ(菜の花）

利用部分 　：�ー鏤辧´�花、葉茎
利用　　 　：�．淵織楊�（菜種油）原料、食用、食用油、潤滑油、石鹸の原料、医薬品の原料に
　　　　　 　搾油後の油カスは主に肥料に一部は飼料にもされる。�⊃�用(緑黄色野菜）
名前の由来：油を採るための作物、菜からアブラナ。菜種はアブラナ（油菜）の種子の意味。

春の陽光を受けて、鮮やかな黄色に輝く菜の花畑。私たちに馴染みのある光景で、春を謳歌する風物詩として、多くの詩歌や文学の題材にされてきた。アブラナの名より、ナノハナ（菜の花）の方が判りやすい。

ナノハナは、元々アブラナ科の植物全体を意味する名だが、代表的なアブラナを指す名の通称になっている。花弁は４枚、雄しべ６本、雌しべ１本。４枚の花弁が十の字形に開くのが特徴。
かってアブラナ科は「４枚の花弁が十字架のように見えることから、”十字を持つ仲間”十字科
（Cruciferae）とも呼ばれていた。
以前、理科では十字科植物の名で習った懐かしい植物の代表である。

アブラナ科は世界で３５０属２５００種あるといわれている。交雑して変異し雑種が生まれ易い。そのため品種改良が進み、有用な作物が多く作られ、私たちの食生活に豊かな恵みをもたらしてくれている。実際私たちの食卓に欠かすことの出来ない野菜の多くが、この科に属している。ダイコン、キャベツ、カブ、ハクサイ、ミズナ、コマツナ、カラシナ、ブロッコリー、ケール、クレソンなどなど。枚挙にいとまがない。

アブラナは一名「ナタネ（菜種）」「ナタネナ（菜種菜）」というが厳密に言えば「ナタネ（菜種）」はアブラナの種子のことで、「ナタネナ（菜種菜）」はアブラナ属の油料植物の総称として使われている。元々は葉や茎を食べる葉物野菜として利用されていたのが、正確な年代は不明だが、江戸時代よりあまり遠くない頃、主に灯油原料にするため搾油が始まったといわれている。

種子には平均４３％の脂肪油が含まれるので、これを圧搾法で絞り、菜種油Rape　oilをとる。
リノール酸、オレイン酸、エルシン酸を含み食用油として優れており、大豆油に次いで消費が多い。機械油としても用途は広い。搾油した後の搾り粕はいわゆる油かすで、家畜の飼料および園芸用の肥料となる。
緑黄色野菜としても栄養価に優れ、葉酸、ビタミンＣ、カリウム、マグネシウム、カルシウムを含んでいる。ほろ苦い味、辛味が早春の野菜として食卓を彩る。

アブラナ科に特有の辛味成分、イソチオシアネートを含む。イソチオシアネートはがん予防効果が期待できるとして近年注目されている。

ーカワズサクラ（河津桜）Prunus lannesiana Wils. cv. Kawazu-zakuraー

伊豆　河津町を中心に植栽されている新種の桜、現在は日本各地で植えられている。
オオシマサクラとカンヒサクラ系の自然交配種と推定されている。オオシマサクラのおおらかで大振な花と、カンヒサクラの鮮やかな紅色、早咲きの特性を引き継いでいる。
濃いピンクの大ぶりな花が３月上旬には咲き出す。カワズサクラは土地の人（飯田勝美氏）が昭和３０年河津川沿いを散策していた時、偶然冬枯れの中に１ｍ程の木を見つけ持ち帰り育てたものが原木になっている。氏が持ち帰り育てた樹は今も現存し昭和５０年には河津町の木に指定されている。春には立派な花を咲かせ、訪れる人の眼を楽しませている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・新食品成分表　２０１７年(東京法令出版株式会社)

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