ダイコン(大根)

商品写真
上・中：熊野古道御坊市の畑
下：春日大社　万葉植物園　花とダイコンの長角果
下：ダイコン

ダイコン(大根)Raphanus sativus var. longipinnatus
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　アブラナ目Brassicales
　　　　　アブラナ科 Brassicaceae ダイコン属 Raphanus

　　食卓に欠かせない野菜

生薬名　　：ライフクシ（萊箙子）
利用部位　：�ー鏤辧´∈�、葉、茎
利用　　　：�〔�用　�⊃�用
名前の由来：大きな根を意味する大根（おおね）を音読み。

アブラナ科の1年草。私たちの食卓になくてはならないほど、馴染みのある野菜。大根の品種も多く、用途も極めて広い。多方面で利用されている。
日本では古くから栽培されていたらしく、春の七草の一つとして古歌に登場するスズシロ（清白）もダイコンとされている。
ダイコンの原産地は、ダイコン属の野生種が地中海沿岸に分布していることから地中海沿岸とも、コーカサス南部からパレスチナ方面ともいわれている。古い時代にこれらの地方から西アジア、中国、朝鮮半島を経て日本に伝わったものと推測されている。

ダイコンはデンプン分解酵素のジアスターゼ、アミラーゼ、タンパク分解酵素のプロテアーゼを豊富に含んでいる。消化力は抜群で、米飯、雑穀中心の日本人の食生活の副菜としてこの上ない組み合わせといえる。いくら食べてもあたらないことから、何度興行しても当たらない役者のことを大根役者と譬えるのはダイコン本来の意味からは皮肉なことだ。

生のダイコンには刺激のある辛味がある。4―メチルチオ3―ブテニル・イソチオシアネート（ＭＴＢＩ）という成分で、解毒作用、がん抑制効果があるといわれていることが分かっている。

体内の老廃物を除き老化防止になるので、美容にも良いので大根を積極的に食べるようにしたい。ＭＴＢＴはダイコンおろしをすることで細胞が壊わされ、この際ダイコンに含まれる酵素によって生成される。この成分は揮発性のため、すりおろし時間がたつにつれて減少するので、直前に摩り下ろすのが良い。
ダイコンおろしは医者要らずといわれるぐらい殺菌効果に優れている。大根おろしでうがいをすると口内炎、虫歯、歯肉炎のなどの炎症に、またのどの痛みや咳止めには、蜂蜜を加えて飲むと良い。大根飴も咳止めや咽喉の痛みに良い。
ダイコンは根ばかりでなく、葉も緑黄野菜としてビタミンＣを初め、カルシウム、食物繊維、カロテンを豊富に含んでいるので有効利用したい。種子をライフクシ（萊箙子）といい脂肪油を含み、漢方では健胃、去痰薬にする。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　夏　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・日本の薬草全書　中山草司　啓明書房

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