ハス（蓮）
ハス（蓮）Nelumbo nucifera Gaertner
真正双子葉植物Eudicots＞基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
ヤマモガシ目 Proteales
ハス科 Nelumbonaceae（←スイレン科Nymphaeaceae）ハス属 Nelumbo
生薬名 ：レンニク（蓮肉）
利用部分 ：�ー鏤辧´∈�茎
利用 ：�‘�本薬局方生薬、漢方処方用薬、民間薬 �⊃�用
名前の由来：古くは「ハチス」の名があり、花弁を支える花托が大きくなると蜂の巣
そっくりになることから。
ハスの原産地はインド。泥土、泥水から茎を伸ばし清らかな花を咲かせることから、仏の花として仏教と深くかかわり親しまれている。花は７〜8月の朝、少し開花し数時間で閉じ、翌日もう少し大きく開花し閉じる。このパターンを３日間繰り返し４日目で大きく開き、閉じることなく散る。花が散った後の花托は大きく肥大し「ハチ状果」という蜂の巣状の独特の実をつける。
中には丸い種子が入っている。この種子をレンニク（蓮肉）、レンシ（蓮子）またはレンジツ（蓮実）といい薬用にする。根茎が肥厚し横に長く連なる様子からレン(蓮)の名があり、根はレンコン(蓮根)の名で私たちに馴染みのある野菜、特に和食には欠かせない野菜になっている。
レンコンにはアスパラギンを含み滋養もあり、滋養強壮にもなることから、食用に根茎を4月〜5月中旬に、日当たりのよい水田か浅い沼や池に植え付けて栽培している。
蓮にはそれぞれの部分に名がある。例えば葉をカヨウ(荷葉)、レンコンの節の部分はグウセツ（藕節）レンコンのデンプンをグウフン（藕粉）と呼ぶなど様々な部位が民間薬として利用されたが今日では種子が漢方で、鎮静、健胃、滋養強壮薬として清心蓮子飲、啓脾湯などに配合される。
成分
・アルカロイド：ロツシン、ジメチルコクラリン
・その他：でんぷん、蛋白質、脂肪、ラフィノース
漢方処方例
・清心蓮子飲（せいしんれんしいん）
・啓脾湯 （けいひとう）
ー米沢城ー
山形県米沢市の現在は市街地の中心場所にある。中世、大江氏が城の基を築き、後、伊達氏の居城でもあったが幾多の変遷の後、上杉謙信を祖とする上杉氏の居城となり、明治の廃藩置県まで上杉氏が治めた。米沢城には藩庁が置かれ政治の中心であった。明治の廃城により城郭はないが本丸跡には上杉氏の祖上杉謙信を祭る上杉神社がある。一時は財政破綻の危機にあった米沢藩を立て直し、米沢藩中興の祖と崇められる上杉鷹山も合祀されていた。（現在は摂社、松岬神社に祭られている。）上杉鷹山の生涯は童門冬二氏の小説に詳しく書かれている。
米沢藩では飢饉の際の食料確保の意味からウコギの植栽が奨励された。米沢城址ではウコギで垣根が作られてその名残を今にとどめている。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・第15改正 日本薬局方解説書（広川書店）
・最新生薬学 刈米達夫著 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・生薬単 原島広至著 （株式会社エヌ・ティ・エス）
・万葉の植物 松田 修著 （保育社）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧ�気�発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧ�靴�発表されるに至っている。
ＡＰＧ�景�類方式ではハスは従来、スイレン科 Nymphaeaceae ハス属 Nelumboであったが
スイレン科より独立した科、ハス科 Nelumbonaceaeが設けられた。
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）