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ヒナゲシ（雛芥子、雛罌粟）

商品写真
上･下：東京都薬用植物園　ヒナゲシの花

ヒナゲシ（雛芥子、雛罌粟）Papaver rhoeas　Linne
　　真正双子葉植物　Eudicots＞基部真正双子葉植物　Basal Eudicots
　　　　キンポウゲ目　Ranunculales
　　　　　 ケシ科　Papaveraceae　ケシ属　Papaver

　別名：くびじんそう（虞美人草）
　フランス語：コクリコ（Coquelicot）

生薬名　　：レイシュンカ（麗春花）
利用部分　：�＿屐奮�花直後の乾燥花）　�⊆鏤�
利用　　　：�〔�用　�´⊃�用
名前の由来：可愛らしい花をつけるケシの意味
　　　　　　くびじんそう（虞美人草）の名は史記　項羽本記に、戦いで、追い詰められた項羽が
　　　　　　四面楚歌状態の歌声を聴き、死を覚悟する項羽の最後の様子が記述されている。　
　　　　　　項羽が伴っていた虞妃も、共に死んだという。
　　　　　　彼女の流した血から真っ赤な花が咲き、この花を虞美人草というようになった
　　　　　　伝説から。

ヒナゲシからは“あへん”は採れないので、何処でも自由に栽培できる。ケシより丈が低く、いくらか分岐し、全体に粗毛がある。ヨーロッパが原産。コムギについてコムギ畑に運ばれ、野生化している。

１９１２年（明治４５年）フランスを訪れた与謝野晶子は田園に咲く、ヒナゲシの真っ赤な花を見て、自身の思いに重ね
　　”ああ皐月（さつき）　仏蘭西（フランス）の野は　火の色す　
　　　　　　　　　　君も雛罌粟（こくりこ）われも雛罌粟（こくりこ）”
とヒナゲシを短歌に詠んでいる。

蕾の時は花首がうつむいているが、開花時には上を向く。４弁の薄い花びらが風にふかれ、田園を彩る風景に感動したのだろう。野生種の花は赤いが、多くの園芸品種が作られ、白、ピンク、紫、絞り、八重咲きなどがあり観賞用に栽培される。薄紙のような可憐な花は次々と咲き見事な景観になる。こぼれ種でよく増える。

ヒナゲシの種子はナッツのような風味があり、パンやケーキの飾りに使われる
開花直後の花を乾燥させたものをレイシュンカ（麗春花）といいワイン、シロップの着色に、アントシアニン色素の一種メコシアニン、アルカロイドロ（エアジン、ロエアゲニン）を含むことからワイン、シロップの着色に、また咳止め薬に用いた。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）

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