名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

タケニグサ( 竹似草)

商品写真
Photo:長野県 白馬村 総状花序は下から上へ咲いていく。
花弁は元々ない。

タケニグサ( 竹似草)Macleya cordata R.Brown,
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
    キンポウゲ目 Ranunculales
      ケシ科 Papaveraceae  タケニグサ属 Macleya

  別名: チャンパギク(占城菊)

生薬名   :ハクラクカイ(博落廻)
利用部分  :生葉の汁
利用    :観賞用、民間薬、殺虫剤
名前の由来  :この草で竹を煮ると軟らかくなるとして「竹煮草」、あるいは茎が中空なので
      「竹似草」となったという説など諸説ある。
 ・別名:チャンパギク(占城菊)
     大きく切れ込みのある葉が菊の葉に似るのと、外国から来た草のイメージから。
     チャンパ(現在のベトナム南部の国。かって、貿易で繁栄したが17世紀末に滅亡。)
 ・生薬名:ハクラクカイ(博落廻)
      中国の子供が昔遊んだ遊具、博落廻に似ることから。

本邦各地の空き地や日当たりの良い山地に自生する、草丈1〜2mにもなるケシ科の多年草。
荒地や山地の崖崩れ、木を伐採した後、いち早く生えるパイオニア的存在の植物。
大きな葉はキクの葉に似た切れ込みがあり、葉の裏面や茎は白っぽい。風が吹くと風にあおられた葉は裏面の白さが際立つ。
花期は夏、花弁のない円錐花序の花を咲かせる。下から上へ咲いていく。花弁は元々なく、上部の白い蕾は2枚のがく片につつまれた状態。2枚の顎片は開花と同時に脱落し、雌しべを取り囲む多数の雄しべの花糸だけになる。花のように見えるのは雌しべを囲む多数の雄しべの集まり。
花の後長い楕円形の実が多数付く。

茎を傷つけたり、折ったりすると黄色い汁液が出てくる。この液はアルカロイド、プロトピンを含み有毒で皮膚に付くと、かぶれたり、アレルギーを引き起こすので要注意。かってはこの作用を利用し、民間で皮膚病治療に用いられたこともあったが、皮膚炎を起こす可能性があるので危険。薬用にはしないほうが賢明だ。

日本では雑草扱いだが、園芸用には草丈が高く、目だつ様子からヨーロッパでは主要な庭園植物としてイングリュシュガーデンによく植栽される。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)

科目別の一覧