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コマクサ(駒草)

商品写真
上・下:乗鞍岳 急な荒れた山肌に可憐な花を咲かせる。

コマクサ(駒草)Dicentra  peregrina Makino 
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
   キンポウゲ目 Ranunculales
     ケシ科 Papaveraceae コマクサ属 Dicentra

高山植物の女王 

利用部位 :全草   
用途   :民間薬
名前の由来:花の形が馬の顔に似ていることから駒草

北海道から本州の中部・北部の高山のほかシベリア東部、樺太にも自生する多年草。
高さ5〜15cm位。葉の全体は粉をふいたように白っぽい。葉はすべて根生。2回3出複葉。花弁は4枚。外側の2枚は下半分が膨らみ先が反り返るが、内側の2枚は下半分が細く先端が互いに合わさっている。他の植物が生えることができない痩地の風当たりが強い砂礫地に、半ば埋もれるよう深く根を下ろす。
山の急斜面などにポツリポツリと点在して生える。当に日本の高山植物を象徴する孤高の花だ。

コマクサはケシ科に属するように、全草にアルカロイドのジセントリン、プロトピンといった、モルヒネ様物質を含んでいる。このため、昔から健胃、鎮痛薬として腹痛に用いる薬草として利用されたため、乱獲された。
高い山と言っても、どこの高い山でも自生しているわけではない。昔は高山植物の保護も少なく、花の希少価値や美しさよりも薬草として利用が優先されたのか、各地の自生地で乱獲され、絶滅した高山も少なくない。北アルプスの穂高や槍ケ岳ではもう見られない。中央アルプス、南アルプスなどの自生地では乱獲され、絶滅したという。

昔、木曽の御嶽山では霊草「オコマグサ」と称し、御嶽神社参詣者には乾燥させたコマクサをさずけていたそうだ。現在、御岳百草にはキハダが配合されているが昔の「御百草」にはコマクサが原料の一つとして利用されていたという

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・ヤナケイポケットガイド高山の花 永田芳男著(山と渓谷社)

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