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サラシナショウマ(晒菜升麻)

商品写真
上・下:白馬 栂池自然園 太く白い花穂は20〜30cm。白い糸のよう突き出ているのは多数の雄しべ。

サラシナショウマ(晒菜升麻)Cimicifuga simplex (DC.) Wormsk ex Turcz.
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
   キンポウゲ目 Ranunculales     
     キンポウゲ科 Ranunculaceae サラシナショウマ属 Cimicifuga

風邪や痔の漢方処方に

生薬名  :ショウマ(升麻)    
利用部位 :根茎
利用   :日本薬局方生薬 漢方処方用薬、食用
名前の由来:サラシナ(晒菜)、若い葉をゆでて水で晒して食用にしたことから。
      ショウマは中国名で、語源ははっきりとしない。

平地から高山まで、山林の木陰や草原まで広く分布している。秋、長い花茎を伸ばし先端にブラシ状に密集した白い花をつける。群生して咲く白い穂はひときわ目立つ存在で実に見事だ
1個1個の花はきわめて小さく花弁は目立たない。白い花のように見えるのは多数の雄しべの花糸や葯の集まったもので、がくや花弁に代わって昆虫をひきつける役目をする。根は太く不規則に曲がり塊状で長く伸びる。秋に根茎を掘り取り、ひげ根を取り除き天日で乾燥させたものが生薬のショウマ(升麻)。

サラシナショウマは日本産の原植物であり、本来は山野に自生するサラシナショウマを採取したものであるが、現在はほとんど生産されず、現市場での流通は中国から輸入されるオオミツバショウマC. heracleifolia Komarov、キタショウマC. dahurica (Turcz.) Maxim.の根茎が、主となっている。

成分は多くのトリテルペン化合物で、刺激性がありショウマ(升麻)単品で用いられることはない。漢方処方用薬として解熱、解毒、抗炎症、浮腫抑制に、脱肛などの痔疾患とみなされる処方「乙字湯」などに配合されている。
成分
  ・トリテルペノイド:シミゲノール
  ・クロモン誘導体:シミフギン
 
漢方処方例
  歯や歯ぐきの痛み、抜歯後の疼痛、痔疾用薬とみなされる漢方処方、その他に配合される。
   ・乙字湯  (おつじとう)
   ・升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
   ・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
   ・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
   ・立効散  (りっこうさん) 

食用
   春先、若葉をあく抜きして、ゆでておひたしに。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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