薬草と花紀行のホームページ
全ての植物から
サルノコシカケ科
サルオガセ科
ヒカゲノカズラ科
トクサ科
ウラボシ科
ソテツ科
イチョウ科
マオウ科
マツ科
イチイ科
ヒノキ科
スイレン科
ハゴロモモ科
マツブサ科
ドクダミ科
コショウ科
ウマノスズクサ科
モクレン科
バンレイシ科
クスノキ科
ショウブ科
サトイモ科
オモダカ科
ヤマノイモ科
ビャクブ科
パナマソウ科
シュロソウ科
シオデ科
ユリ科
イヌサフラン科
ラン科
アヤメ科
ツルボラン科
ワスレグサ科
ヒガンバナ科
キジカクシ科
ヤシ科
ミクリ科
ガマ科
イネ科
ツユクサ科
バショウ科
ショウガ科
アケビ科
ツヅラフジ科
メギ科
キンポウゲ科
ケシ科
ハス科
タデ科
ナデシコ科
ヒユ科
ツルムラサキ科
ビャクダン科
ボタン科
ユズリハ科
ユキノシタ科
ブドウ科
フウロウソウ科
ミソハギ科
アカバナ科
フトモモ科
ハマビシ科
ニシキギ科
ヤナギ科
トケイソウ科
トウダイグサ科
オトギリソウ科
ヒルギ科
アマ科
キントラノオ科
カタバミ科
マメ科
ヒメハギ科
バラ科
グミ科
クロウメモドキ科
アサ科
クワ科
イラクサ科
ウリ科
ブナ科
ヤマモモ科
カバノキ科
クルミ科
パパイア科
アブラナ科
アオイ科
ジンチョウゲ科
ムクロジ科
ウルシ科
センダン科
ミカン科
ミズキ科
アジサイ科
ツバキ科
カキノキ科
サクラソウ科
マタタビ科
リョウブ科
ツツジ科
トチュウ科
アオキ科
ムラサキ科
アカネ科
リンドウ科
キョウチクトウ科
ナス科
ヒルガオ科
モクセイ科
イワタバコ科
キツネノマゴ科
ゴマ科
クマツヅラ科
ノウゼンカズラ科
シソ科
ハマウツボ科
オオバコ科
ハナイカダ科
モチノキ科
ウコギ科
セリ科
トベラ科
レンプクソウ科
スイカズラ科
キキョウ科
ミツガシワ科
キク科
名前から探す
ア行
カ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
用途から探す
漢方薬
製薬基源植物
日本薬局方生薬
民間薬・薬用
ハーブ・サプリメント
香料・香辛料
食用と嗜好品
染色・繊維
油脂
鑑賞用・その他
ホーム
キンポウゲ科
オウレン/セリバオウレン(芹葉黄連)
上・中:京都府立植物園 セリバオウレンの花
下:東京都立薬用植物園 花後の袋果
オウレン/セリバオウレン(芹葉黄連)
Coptis japonica dissecta
Nakai
真正双子葉植物
Eudicots
>基部真正双子葉植物
Basal Eudicots
キンポウゲ目
Ranunculales
キンポウゲ科
Ranunculaceae
オウレン属
Coptis
日本薬局方では生薬オウレン(黄連)を
・Coptis japonica Makino(オウレン 黄連)
・Coptis chinensis Franchet(中国名: 黄連、味連、川連)
・Coptis deltoidea C. Y. Cheng & Hsiao(中国名: 三角黄連、雅連)
・Coptis teeta Wallich(中国名: 雲南黄連、雲連)のひげ根を殆んど除いた根茎と定めている。
生薬オウレン(黄連)はオウレンCoptis japonica Makinoの変種
・セリバオウレン Coptis japonica dissecta Nakai
・キクバオウレンCoptis japonica var. japonica Sakata
・コセリバオウレンCoptis japonica var. major Satake
をも含む、とあり”黄連”原料植物は多い
生薬名
:
オウレン( 黄連)
利用部位
:根茎
利用
:漢方処方用薬、伝統・伝承薬原料
植物起源医薬品(Drugs of plant origin) 塩化ベルベリン(Berberine)止瀉薬の原料
名前の由来
:根が横に連なり、節から多数のひげ根をだす。根の断面が鮮やかな黄色からと、
葉が2回3出の複葉。セリ葉を思わせるところからセバオウレン。
日本特産の薬用植物でオウレンの根茎は古くから胃腸薬として使われる。
北海道西南部から本州、四国の山地、樹林下に自生する林床植物。多くは各地の畑で栽培される。
丹波地方で栽培される丹波黄連は有名。
早春、1花茎に2〜3個の白い花を咲かせる。通常、雄しべのみの雄性花と雄しべ、雌しべ両方が備わった両性花がある。雌しべのみの雌性花は珍しい。雄性花や雄しべの方が咲きに咲く。外側の白い花弁に見えるのはガク片、花弁はその内側にある小さな白い花びらが本当の花弁。花粉を多くつけているのが雄しべ。真ん中に緑か紫を帯びた突起物が雌しべ。花後、実が約10個、放射状にきれいに並ぶ。袋果状の中には多数の種子が入っている。袋果の先端部分は閉じていない。熟して割れたのではなく、初めから穴が開いていて風で揺れると中の種子が飛びだす仕組みになっている。
夏は他の草が茂りあまり気づかないが、早春ハイキングなどで山を歩くと常緑多年草であるので、杉やヒノキの植林された山の道端でよく見かける。こうしたオウレンの性質を利用し、山間の杉や檜の樹林下に種をまき、半野生状態で粗放な栽培もおこなわれている。畑では樹林下のような日陰を作り6〜7年生育させて、はじめて収穫できる。
11月頃、根茎を掘り起こし葉やひげ根を取り除き日干しをする。残った細いひげ根は火で焼き(毛焼き)取り除く。手にはめた藁草履でよくもみ、残りの土やひげ根を取り除くと光沢が出る。こうした作業は磨きをかけるという。手間をかけた作業を経て、生薬のオウレン(黄連)に仕上げる。
オウレンにはその葉の形から3つの変種に分かれる。1回3出した菊葉形の小葉をつけるキクバオウレンCoptis japonica var.japonicaと2〜3回3出し細かい小葉が多くつく羽状複葉のセリバオウレンCoptis japonica var.dissecta 3回3出するコセリバオウレンCoptis japonica var.major がある。
主にセリバオウレンが薬用として栽培される。
セリバオウレンとコセリバオウレンの葉の比較
またオウレンに似ているが葉が掌状複葉で5枚の小葉からなるバイカオウレン(梅花黄連)Coptis quinquefolia がある。地下に這う枝を出して繁殖し、1花茎に普通1個の花を頂生する。白い5枚のがく片、黄色い5個の花弁が梅鉢状をつくる。梅鉢模様の花の形からバイカオウレン(梅花黄連)の名があり山野草家に好まれる。
ベルベリンが主成分で他に、パルマチン、コプチシなどのアルカロイドを含む。オウレンの苦味は黄色物質ベルベリンのためで.「良薬口に苦し」この苦味が黄連の効果で、苦味健胃薬として胃腸薬の原料として配合される。ベルベリンは各種グラム陽性・陰性菌ともに強い抗菌力を示す。そのほか血圧降下、神経抑制、鎮痙、利胆作用が認められている。
胃弱、食欲不振、胃部・腹部膨満感、消化不良、食べすぎ、飲みすぎ、胃のむかつき、下痢などの健胃整腸薬、止瀉薬として胃腸薬の原料にする。また漢方処方用薬であり、健胃消化薬、止瀉整腸薬、止血薬、精神神経用薬とみなされる処方、およびその他に多く配合されている。
成分
・アルカロイド:ベルベリン、パルマチン、コプチシ
・その他:マグノプロリン、フェルラ酸 など7
漢方処方
漢方では苦味健胃整腸薬、下痢、上半身の炎症、精神不安、心窩部のつかえ等の症状を目標に
多くの処方に配合される。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社)
・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
・植物分類表 大場秀章 編著(アボック社)
科目別の一覧
全ての植物
サルノコシカケ科
サルオガセ科
ヒカゲノカズラ科
トクサ科
ウラボシ科
ソテツ科
イチョウ科
マオウ科
マツ科
イチイ科
ヒノキ科
スイレン科
ハゴロモモ科
マツブサ科
ドクダミ科
コショウ科
ウマノスズクサ科
モクレン科
バンレイシ科
クスノキ科
ショウブ科
サトイモ科
オモダカ科
ヤマノイモ科
ビャクブ科
パナマソウ科
シュロソウ科
シオデ科
ユリ科
イヌサフラン科
ラン科
アヤメ科
ツルボラン科
ワスレグサ科
ヒガンバナ科
キジカクシ科
ヤシ科
ミクリ科
ガマ科
イネ科
ツユクサ科
バショウ科
ショウガ科
アケビ科
ツヅラフジ科
メギ科
キンポウゲ科
ケシ科
ハス科
タデ科
ナデシコ科
ヒユ科
ツルムラサキ科
ビャクダン科
ボタン科
ユズリハ科
ユキノシタ科
ブドウ科
フウロウソウ科
ミソハギ科
アカバナ科
フトモモ科
ハマビシ科
ニシキギ科
ヤナギ科
トケイソウ科
トウダイグサ科
オトギリソウ科
ヒルギ科
アマ科
キントラノオ科
カタバミ科
マメ科
ヒメハギ科
バラ科
グミ科
クロウメモドキ科
アサ科
クワ科
イラクサ科
ウリ科
ブナ科
ヤマモモ科
カバノキ科
クルミ科
パパイア科
アブラナ科
アオイ科
ジンチョウゲ科
ムクロジ科
ウルシ科
センダン科
ミカン科
ミズキ科
アジサイ科
ツバキ科
カキノキ科
サクラソウ科
マタタビ科
リョウブ科
ツツジ科
トチュウ科
アオキ科
ムラサキ科
アカネ科
リンドウ科
キョウチクトウ科
ナス科
ヒルガオ科
モクセイ科
イワタバコ科
キツネノマゴ科
ゴマ科
クマツヅラ科
ノウゼンカズラ科
シソ科
ハマウツボ科
オオバコ科
ハナイカダ科
モチノキ科
ウコギ科
セリ科
トベラ科
レンプクソウ科
スイカズラ科
キキョウ科
ミツガシワ科
キク科
真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
キンポウゲ目 Ranunculales
キンポウゲ科 Ranunculaceae オウレン属 Coptis
日本薬局方では生薬オウレン(黄連)を
・Coptis japonica Makino(オウレン 黄連)
・Coptis chinensis Franchet(中国名: 黄連、味連、川連)
・Coptis deltoidea C. Y. Cheng & Hsiao(中国名: 三角黄連、雅連)
・Coptis teeta Wallich(中国名: 雲南黄連、雲連)のひげ根を殆んど除いた根茎と定めている。
生薬オウレン(黄連)はオウレンCoptis japonica Makinoの変種
・セリバオウレン Coptis japonica dissecta Nakai
・キクバオウレンCoptis japonica var. japonica Sakata
・コセリバオウレンCoptis japonica var. major Satake
をも含む、とあり”黄連”原料植物は多い
生薬名 :オウレン( 黄連)
利用部位 :根茎
利用 :漢方処方用薬、伝統・伝承薬原料
植物起源医薬品(Drugs of plant origin) 塩化ベルベリン(Berberine)止瀉薬の原料
名前の由来:根が横に連なり、節から多数のひげ根をだす。根の断面が鮮やかな黄色からと、
葉が2回3出の複葉。セリ葉を思わせるところからセバオウレン。
日本特産の薬用植物でオウレンの根茎は古くから胃腸薬として使われる。
北海道西南部から本州、四国の山地、樹林下に自生する林床植物。多くは各地の畑で栽培される。丹波地方で栽培される丹波黄連は有名。
早春、1花茎に2〜3個の白い花を咲かせる。通常、雄しべのみの雄性花と雄しべ、雌しべ両方が備わった両性花がある。雌しべのみの雌性花は珍しい。雄性花や雄しべの方が咲きに咲く。外側の白い花弁に見えるのはガク片、花弁はその内側にある小さな白い花びらが本当の花弁。花粉を多くつけているのが雄しべ。真ん中に緑か紫を帯びた突起物が雌しべ。花後、実が約10個、放射状にきれいに並ぶ。袋果状の中には多数の種子が入っている。袋果の先端部分は閉じていない。熟して割れたのではなく、初めから穴が開いていて風で揺れると中の種子が飛びだす仕組みになっている。
夏は他の草が茂りあまり気づかないが、早春ハイキングなどで山を歩くと常緑多年草であるので、杉やヒノキの植林された山の道端でよく見かける。こうしたオウレンの性質を利用し、山間の杉や檜の樹林下に種をまき、半野生状態で粗放な栽培もおこなわれている。畑では樹林下のような日陰を作り6〜7年生育させて、はじめて収穫できる。
11月頃、根茎を掘り起こし葉やひげ根を取り除き日干しをする。残った細いひげ根は火で焼き(毛焼き)取り除く。手にはめた藁草履でよくもみ、残りの土やひげ根を取り除くと光沢が出る。こうした作業は磨きをかけるという。手間をかけた作業を経て、生薬のオウレン(黄連)に仕上げる。
オウレンにはその葉の形から3つの変種に分かれる。1回3出した菊葉形の小葉をつけるキクバオウレンCoptis japonica var.japonicaと2〜3回3出し細かい小葉が多くつく羽状複葉のセリバオウレンCoptis japonica var.dissecta 3回3出するコセリバオウレンCoptis japonica var.major がある。主にセリバオウレンが薬用として栽培される。
セリバオウレンとコセリバオウレンの葉の比較
またオウレンに似ているが葉が掌状複葉で5枚の小葉からなるバイカオウレン(梅花黄連)Coptis quinquefolia がある。地下に這う枝を出して繁殖し、1花茎に普通1個の花を頂生する。白い5枚のがく片、黄色い5個の花弁が梅鉢状をつくる。梅鉢模様の花の形からバイカオウレン(梅花黄連)の名があり山野草家に好まれる。
ベルベリンが主成分で他に、パルマチン、コプチシなどのアルカロイドを含む。オウレンの苦味は黄色物質ベルベリンのためで.「良薬口に苦し」この苦味が黄連の効果で、苦味健胃薬として胃腸薬の原料として配合される。ベルベリンは各種グラム陽性・陰性菌ともに強い抗菌力を示す。そのほか血圧降下、神経抑制、鎮痙、利胆作用が認められている。
胃弱、食欲不振、胃部・腹部膨満感、消化不良、食べすぎ、飲みすぎ、胃のむかつき、下痢などの健胃整腸薬、止瀉薬として胃腸薬の原料にする。また漢方処方用薬であり、健胃消化薬、止瀉整腸薬、止血薬、精神神経用薬とみなされる処方、およびその他に多く配合されている。
成分
・アルカロイド:ベルベリン、パルマチン、コプチシ
・その他:マグノプロリン、フェルラ酸 など7
漢方処方
漢方では苦味健胃整腸薬、下痢、上半身の炎症、精神不安、心窩部のつかえ等の症状を目標に
多くの処方に配合される。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社)
・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
・植物分類表 大場秀章 編著(アボック社)