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ポドフィルム 

商品写真
上:大宇陀 森野旧薬園
中2枚:大阪薬科大学 薬用植物園 
下:東京都薬用植物園 実

ポドフィルム Podophyllum peltatum Linne
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
   キンポウゲ目 Ranunculales
    メギ科 Berberidaceae  ミヤオソウ属 Podophyllum

  抗悪性腫瘍剤エトポシド起原植物

生薬名  :ポドフィルム 
利用部分 :根茎 
利用   :民間薬、抗癌剤エトポシド原料 医薬品起原植物 
名前の由来:Podos(足)phyllum(葉)旧名はAnapodophyllum Ana(鴨)葉は鴨の足を逆さに
      した様子に似ることから。peltatumは楯状の葉の意味。

北米とカナダに野生し、また栽培される宿根草。わが国でも良く生育する。根茎は横走する。草丈50cm。1本の花茎から左右に2枚の葉を頂生する。独特な形状をしている。葉は小属名peltatumの元になった楯状円形で5〜7中裂し裂片はさらに先端が2つに浅く裂ける。
花は大きな葉の下に隠れ上からは咲いているのが判らないが、白い大きな花を一つ咲かせる。花が終わると実になる。

根茎をポドフィルム根、マンドレイク(mandrake)といい、ポドフィルム脂と称する樹脂を含んでいる。その中にポドフィロトキシン、ピクロポドフィリン、ペルタチンなどのリグナン系成分を含み緩下薬としてアメリカで用いられてきた。大量は腸出血を起こすので禁忌。

近年これらの成分に抗腫瘍活性がある事がわかり1966 年、抽出した結晶性成分であるポドフィロトキシンを原料として抗悪性腫瘍剤エトポシドが合成された。肺がん、悪性リンパ腫、急性白血病などに有効であることが証明され、多数の国で製造承認されている。日本でも各製薬会社から発売され医療の場で抗癌薬として繁用されている。

参考文献
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・製薬会社インタビューフォーム


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