アケビ （木通、通草）

商品写真
上：駒ヶ根 アケビの花　
中：咲くやこの花館　アケビの果実
下：日本新薬　山科植物資料館

アケビ （木通、通草） Akebia　 quinataDecaisne
　　真正双子葉植物 Eudicots＞基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
　　　キンポウゲ目 Ranunculales
　　　　　アケビ科 Lardizabalaceae　アケビ属 Akebia　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

生薬名　　：モクツウ（木通）
利用部分　：�，弔訐�の茎　��果実
利用　　　：�‘�本薬局方生薬　民間薬　�⊃�用
名前の由来：果実が熟すると割れて中の果肉が見えるので、「開け実」が訛ったといわれる
　　　　　　モクツウ(木通）は蔓の茎に細かい孔が通っていることから。

アケビの仲間は常緑で果実が熟しても裂開しないムベと、落葉性で果実が熟すと裂開するアケビ属の３種がある。
全縁で５枚の小葉が、掌状複葉のアケビ Akebia quinata Decaisneと、波状で鋸歯のある３枚の小葉があるミツバアケビAkebia　trifoliata　Koidzumi。両者の雑種といわれ、両者の中間の形態（掌状複葉の小葉は５枚だが葉の縁は波状で鋸歯がある）をしているゴヨウアケビAkebia pentaphylla Makinoがある。

花の時期は４〜５月、４月新芽が出るとほぼ同時期、淡い紫色の花を咲かせる。雌雄同株。上方の大きい花が雌花、雌しべが見える。小さく沢山の花が雄花、花弁のように見えるのは３枚のがく。
秋、果実が１〜４個実る。青い果実は熟すと紫色を帯び、縦に裂け、中から黒い種子を多く含む、白い果肉がのぞく。甘く美味しい。この厚みのある果皮もゴマ和えなどの料理に使われる。

丈夫な蔓は昔、薪の結束や、土瓶のつる、土瓶敷きなどに用いられた。今日では籠やバスケットなどの民芸品用に好まれる。

薬用には、アケビ又はミツバアケビのつる性の茎を通常、横切りにしたものを使う。モクツウ（木通）という。
太い蔓にはアケボシド、ヘデラゲニンhederagenin、オレアノール酸oleanolic acidをゲニンとするサポニンなど含む。水性エキスには灰分８％を含む。
灰分中には約３０％のカリウム塩を含み、利尿効果が認められている。消炎性利尿、通経、鎮痛の目的で漢方処方に配合される。又尿量減少、むくみに煎用するか、配合剤の原料とする。

　
漢方処方例
　漢方処方用薬として、消炎性利尿、通経など尿路疾患とみなされる処方、その他の処方に少数例
　配合されている。　
　　・五淋散　　（ごりんさん）
　　・加味解毒湯（かみげどくとう）
　　・消風散　　（しょうふうさん）　
　　・竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・生薬単　原島広至著　（株式会社エヌ・ティ・エス）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　秋・冬　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・薬草・薬木の育て方　金井長字治　（成美堂出版）
　　・薬になる花　田中孝治　(朝日新聞社)

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