ムベ（郁子）

商品写真
上・中：琵琶湖　沖島　ムベの花
下・下：京都府立植物園　ムベの果実（開裂しない）

ムベ（郁子）Stauntonia　 hexaphylla　Siebold　et　Zucca
　　真正双子葉植物 Eudicots＞基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
　　　キンポウゲ目 Ranunculales
　　　　　アケビ科 Lardizabalaceae　ムベ属 Stauntonia

　別名：トキワアケビ

生薬名　　：ヤモッカ（野木瓜）
利用部分　：�〃圈∈�、果皮　��果肉
利用　　　：�〔唄嵬堯´⊃�用
名前の由来：天智天皇の「むべなるかな」の言葉に因むとの説。
　　　　　　朝廷に献上するもの、オオニエ(大贄)からオオムペ（苞苴）、ムベと転訛したなど
　　　　　　諸説ある。
　
本邦中南部の暖地、台湾、朝鮮半島などに自生する常緑のつる性植物。アケビが落葉するのに対し冬期でも常緑。葉は固く光沢がある。掌状複葉で幼木のときの葉は３枚、その後５枚、実が成る頃には７枚になるので、「七五三の縁起木」ともいわれている。実も不老長寿の霊果として尊ばれている。

名前の由来には天智天皇との故事がある。
天智天皇に、この果物を献上した老夫婦の健康な様子から天皇が長寿の秘訣を尋ねたところ、この地で秋に採れるこの果実を食べているからだと答えたそうで、天智天皇が「むべなるかな（いかにもそのとおりだ）」と言われたとか。

雌雄同株で雄花、雌花と同じ花序につくが雌花の方が少ない。ムベの花は４月〜５月にかけて咲く。花の色は白色、緑白色、淡黄色、淡紅紫色まである。花弁は無く、花弁のように見えるのは６枚のがく片。３枚ずつが２輪にならぶ。外側の幅が広く半開し先端が外に反り返る。

秋、卵状の実がなり、赤紫色に熟してもアケビのように裂けないのが特徴。
白い果肉はほのかに甘く、上品な味がする。茎、根に配糖体ストーントニンを含み民間で強心、利尿薬にする果皮も同じ様に用いられる。

琵琶湖　沖島
沖島は琵琶湖に浮かぶ最大の島で、人口５００人ほどの人々が漁業に従事するなどして定住している。淡水湖に浮かぶ島に人が住むのは世界的にも珍しいそうだ。港に近い土地を除いて殆どは山で平地は少ない。人々は湖と山に挟まれたごく狭い土地で、野菜や花などを育てていた。
沖島以外には琵琶湖には西国33番札所、国宝に指定されている竹生島神社がある竹生島や多景島などがある。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）

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