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アオツヅラフジ(青葛篭藤)

商品写真
上・中:京都府立植物園 アオツヅラフジの花 
下:球形で黒藍色のアオツヅラフジの実。

アオツヅラフジ(青葛篭藤)Cocculus trilobus A.P.de Candolle
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
   キンポウゲ目 Ranunculales      
     ツヅラフジ科 Menispermaceae  アオツヅラフジ属Cocculus

別名:カミエビ ツヅラフジ アオカズラ

生薬名  :モクボウイ(木防已)、ドモッコウ(土木香)
利用部分 :茎および根茎(秋に採取、輪切りにし、日干し乾燥)果実(日干し乾燥) 
利用   :漢方薬、民間薬 
名前の由来:つる性の植物なのでこの茎を使い籠やつづら(葛籠)を編んでいたことによる名。
      茎は緑色。カミエビの名はエビは昔、ブドウの蔓をエビといっていた。
      形や蔓の様子がブドウに似ているため。 カミは神などの諸説がある。
      小属名のtrilobusは”3つ小葉の、葉が浅く3裂した”の意味。葉は浅く3裂するもの
      が多い。


本州から沖縄、東アジアに分布し、本邦各地の山野に良く生える木性つる植物。ツヅラフジと良く似るがアオツヅラフジはアオツヅラフジ属(Cocculus)ツヅラフジはツヅラフジ属 (Sinomenium)で属が異なる。したがって形態も異なり、ツヅラフジが葉は大きく、葉身6〜15cmの円形または腎形で浅く5〜7回裂け表面は無毛であるのに対し、アオツジラフジには毛がある。
葉は広卵形で縁は全縁または浅く3裂するものまで、ツル性植物によくみられるように葉の形状の変異があり、様々な葉の形状をしている。
7〜8月にかけて小形の円錐花序に黄白色の小さな花を咲かせる。雌雄異株。秋、粉白色をおびた黒藍色の球形の実をつける様子はブドウに似ている。

茎の木部や根はアルカロイドのトリロビンtrilobine、ホモトリロビン、トリロバミン、マグノクラリンなどを含みモクボウイ(木防已)と称し漢方では神経痛、リウマチなどに鎮痛、利尿薬にする。また解熱、緩下薬にもする。

     アオツヅラフジ種 解説

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)  
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
  ・日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・家庭の民間薬・漢方薬 水野瑞夫・米田該典共著(新日本法規)
  ・原色和漢薬図鑑 (上)難波恒雄 保育社


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