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ホソバタイセイ（細葉大青)

商品写真
上・中：大阪薬科大学　薬用植物園　ホソバタイセイの花　下：果実（長楕円形ないし線形、開裂しない）

ホソバタイセイ（細葉大青)Isatis tinctoria Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞アオイ群 Malvids
　　アブラナ目 Brassicales
　　　　　アブラナ科 Brassicaceae タイセイ属 Isatis

　英名：ウォード（woad）

生薬名　　：�．織ぅ札ぅ茱Α並臉塚奸法´▲丱鵐薀鵐灰鵝僻塚�根）
利用部分　：�〕奸´∈�茎
利用　　　：染色、薬用、健康食品
名前の由来：葉が細く、青色染料が採れることから


藍色の色素が得られる植物は古来からセイタイ（青黛）として、布を藍色に染色する用途は無論だが、解毒薬としても重宝されてきた。
藍色が得られる植物、藍類は数多くあり、まず日本ではタデアイ（蓼藍）のアイ、キアイ（木藍）のタイワンコマツナギ、シュウラン（松藍）のホソバタイセイ（大青）、バラン（馬藍）のリュウキュウアイなどがある。市場品のセイタイ（青黛）はこれらの藍類から製造する。
主な成分はインジゴチンとインジルビン。日本では染料や健康食品の原料として用いられる。

日本での藍染めは、タデ科のアイ（ Persicaria tinctoria ）の葉からインジゴ染料を作って行うが、古来からヨーロッパではホソバタイセイを用いてきた。
この植物は南ヨーロッパ原産で青色染料、インディゴ染料の原料としてウォード（woad）と呼ばれ、中世ヨーロッパでは盛んに栽培され、止血薬としても用いられた。
青色色素の染料に使われるが、花はアブラナに似て鮮やかな黄色、青色色素がここから取れるとは思えないような外観をしている。

その歴史は古くギリシャ、トルコ、エジプトでも使われ、有史以来栽培によってヨーロッパ一円、アジアにまで、分布を広げていったが、１６世紀、東インド会社によってマメ科のタイワンコマツナギ（ Indigofera tinctoria ） キアイを原料とする藍色染料がもたらされると含有量の点で此れに太刀打ちできず急速に栽培は減少し現在は殆ど栽培されていない。

ホソバタイセイは英名ではウォード（woad）といい、その製品はウォード玉といわれ、日本のタデ科のアイの藍玉の製法に似ている。

製法は日光で乾燥させた茎葉を細かく砕き、１ｍほどの高さに積み上げ水霧をかけて周囲を覆い発酵させる。2週間ほどすると、再度ほぐして、日光で乾燥させ、又同じように水霧を施し覆いをしてさらに発酵させてる。この際、藍玉の製法と同様、強烈な悪臭がするので嫌がれてたそうだ。
一方中国でのタイセイを原料とする藍色染料の製法はインド産の藍じょう（らんじょう）に似ていて、日本の沖縄でリュウキュウアイを原料とする泥藍製法と同じ製法が取られる。（キツネノマゴ科　リュウキュウアイを参照）

ホソバタイセイは、葉が「大青葉（タイセイヨウ）」、根が「板藍根（バンランコン）」という生薬になる。
解毒作用、抗癌作用、殺菌作用や抗ウイルス作用があるといわれ、潰瘍性大腸炎への有効性に関する研究も行われている。しかし潰瘍性大腸炎で青黛（せいたい）を摂取した人の中に、肺動脈性肺高血圧症を発症した例が報告あり、厚労省は注意喚起を行っている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・原色和漢薬図鑑　難波恒雄　著　（保育社）
　　・厚労省　ホームページ

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