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ガジュツ(莪蒁)

商品写真
上・中:武田薬品 京都薬用植物園 ガジュツの花
下:葉の主脈付近は紫色を帯びる

ガジュツ(莪蒁)Curcuma zedoaria Roscoe 
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
    ショウガ目 Zingiberales
      ショウガ科 Zingiberaceae  ウコン属 Curcuma

別名:紫ウコン、夏ウコン
 
屋久島での栽培は有名


生薬名  :ガジュツ(莪蒁)
利用部分 :根茎(熱湯で湯通しした後乾燥)
利用   :日本薬局方生薬、薬用 
名前の由来:漢名では莪朮(がじゅつ)の字が用いられる。それをそのまま、音読みにして、
       ガジュツに。但しガジュツは朮(オケラ)とは全く植物が異なる。

インド、マレーシア原産。インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマー、台湾、中国南部などで栽培される。
インドでは古代から薬用にされ、紀元700年代に欧州に伝えられた多年生草本。葉は互生し長さ70cm、長い楕円形、カンナのような大きい葉。葉の中心や主葉脈沿いが赤紫を帯びるのが特徴。草丈1mほどになる。夏、地面近くに花茎を伸ばし花を咲かせる。一見花のように見えるは多数の苞葉が重なったもの。上部の苞葉は全体が、下部の苞葉は先端が紅紫色になり各苞腋に淡い黄色い花を咲かせる。夏ウコンとも根茎の青さから紫ウコンとも言われる。夏ウコンの名があるように、花は夏咲く。
ウコンは秋ウコンの名が示すように秋に、春咲くウコンは春ウコンともキヨウオウ(姜黄)ともいう。花の時期によりそれぞれ名前が付けられている。
ガジュツの根茎の断面は青色を帯び、ウコンの黄色とは全く異なる。
晩秋から冬に堀り上げ、水洗後、熱湯で湯通したものを乾燥する。ガジュツは日本では沖縄県、屋久島、種子島など暖かい地方で栽培される。特に屋久島が主な産地になっている

ガジュツの根茎の断面 青色をしている。
     ガジュツ ウコンコピ

黄色はウコン(秋ウコン)の根茎を割ってみたもの。黄色いのはクルクミンを含有するため。
ガジュツはクルクミンを殆ど含まないので黄色くない。

ガジュツは精油成分に富み、特有の芳香と強い苦味がある。芳香性健胃薬として主に家庭薬原料に多く使われる。漢方薬処方には配合されていない。
マウス、ラットなどの動物へ経口投与すると、胆汁分泌を促進し、肝障害の抑制、胃潰瘍に対する保護作用などが認められる。


成分
  ・精油成分(セスキテルペノイド):クルゼレノン、クルジオン、クルクメノール、
   フラノジエノン、デハイドロクルジ、オンゼデロン、
  ・モノテルペノイド:モノテルペン。シネオール,αピネン、カンファー など
応用
  芳香性健胃薬として、胃腸薬の原料にする。消化不良、疝痛、鎮痛、などに応用される通例、
  粉末で配合される。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・原色和漢薬図鑑 難波恒雄 著 (保育社)
  ・日本薬草全書 (新日本法規)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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