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ショウガ(生姜)

商品写真
上・中:武田薬品 京都薬用植物園 下:掘り上げた根茎。下部の茶色は種ショウガ、上部が新ショウガ

ショウガ(生姜)Zingiber officinale Roscoe 
 単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
   ショウガ目 Zingiberales 
     ショウガ科 Zingiberaceae  ショウガ属 Zingiber

英名:ジンジャー 

世界的に知られる香辛料


生薬名  :ショウキョウ(生姜:乾燥根茎)、
      カンキョウ(乾姜:湯通し、又は蒸した後乾燥した根茎)

利用部分 :地下茎
利用   :日本薬局方生薬、薬用、漢方処方用薬、香辛料 
名前の由来:姜は元来、薑の字で表されていて、薑は「強い」の意味。辛味の強いことから。
      姜は、薑の俗字。

インド原産の宿生根。世界各地で香辛料として広く栽培されている。日本へは古代に渡来し、現在では日本料理には欠かせない香辛料として、私たちの食生活になくてはならない存在になっている。典型的な帰化ハーブ。 
薬用として多くの漢方処方に配合される。根茎は淡黄色で多肉、独特の香りと辛味がある。薬味や風邪薬、健胃薬に広く用いられる。
花は夏、黄色に紫、褐色の斑紋の入ったミヨウガに似た花をつけるが、日本では気候のため花が咲くのはまれで普通は見られない。

日本ではショウガの乾燥方法で名称も用途も変えている。
ショウガの根茎を乾燥したもの、ショウキョウ(生姜)は(別名、乾生姜)。カンキョウ(乾姜)はショウガの根茎を湯通し又は蒸したものと定義されている。ともに日本薬局方生薬である。ところが中国ではショウキョウは新鮮根茎(ひねショガ)。カンキョウは乾燥ショウガ(日本でのショウキョウ)をいう、など定義が異なる。

ショウキョウ(生姜)は芳香性健胃、矯味料として発汗作用があることから風邪薬に、健胃胃腸薬、鎮吐薬、鎮痛薬とみなされる処方に配合される。ショウキョウ(生姜)の粉末、ショウキョウ末(生姜末)は芳香辛味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料にされる。
カンキョウ(乾姜)はショウキョウ(生姜)より温める作用ガ強いとされ、熱性薬、補性薬として用いられる。


本Photoの上部の白っぽい根茎は今年の新ショウガ。細いひげ根が本来の根。
茶色い根茎は植え付けに用いた種ショウガ。種ショウガから芽が出て茎の根元が肥大し始める。

主な成分
  ・辛味成分:6-ジンゲロール、8- 10− ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール
  ・独特の香りはセキステルペン(精油成分)のジンギベレン、ビサボレン、テルペノール、
   フェランドレン、シネオール、カンフェン、ボルネオールなど
  ・色素:フラボノイドジテルペン
漢方処方では、ひねショウガ(生姜)乾生姜、乾姜が処方によって使い分けられる。
  ・ひねショウガ(生姜)に限る処方
      茯苓沢瀉湯(ぶくりょうたくしゃとう)
  ・乾姜に限る処方
      人参湯(にんじんとう)   
  ・ひねショウガ(生姜)乾姜の両方を配合する処方
      生姜瀉心湯(しょうきょうしゃしんとう)
  ・これら以外のショウガを用いる処方の多くは乾生姜を用いる。
      胃苓湯(いれいとう)    など
食品
 香辛料として汎用される。ほかショウガ糖、ショウガ湯に、また甘酢漬けにしたものはお寿司の
 添えに利用される。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著    (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田龍吉著 (山と渓谷社)
  ・原色和漢薬図鑑 (上)難波恒雄 保育社
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)(コメント)

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