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バナナ

商品写真
上:石垣島バナナ畑
中・下:京都府立植物園 基部に雌花を先に雄花をつける。

バナナ Musa acuminate Colla cvs
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
   ショウガ目 Zingiberales
     バショウ科Musaceae  バショウ属 Musa 
 
果物の王様 栄養価が高い

用途:食用 (生食用、料理用、デンプン用) 

果実を食用にするため栽培されるバショウ属 Musaの一群の植物を俗にバナナと総称している。
原産地は熱帯アジア、マレーシアなど。
バナナの栽培の歴史はパプアニューギニアから始まったと考えられている。高さが数mにもなるので一見、木のように見えるが、実際は「草本」で、幹のように見えるのは葉鞘が幾重にも重なり合っている偽茎(仮茎)。茎は地下にあって短く横に這い、茎のような先端からは、長楕円形の葉(葉身)が大きく伸び、ドンドン繁茂する。竹林の増殖とよく似ている。

葉が40枚前後でてきた頃、花(花序)は偽茎の先端から出て、下に向かってぶら下がる。花序の
10段程度は、子房が発達し果段をつける雌花群。その後開花は続くが、先の方の雄花群、中性群の子房は発達せず結実しない。最先端は苞葉で包まれ紡錘形をしている。つぼみの様に見え、大きな花弁に見えるのは花を覆う苞葉の部分。実際の花は苞葉に覆われた内部にあり、1本の果軸に複数の果房(果段)がつき、各果房には10本から20本程度の果指から成っている。

果指の部分が本当のバナナの花である。果指一つ一つが一本のバナナに成長し果房がバナナの房となる。なお、開花は一本の偽茎につき一回のみで開花後は株元から吸芽を出して枯れてしまう。

バナナの品種は500を超えると言われるほど多い。利用の仕方も果物として食べるだけでなく、焼いたり、蒸したり、油であげる、煮込むなど多くの料理法が知られている。

世界で生産されるバナナの約半分は生食のデザート用、残り半分が調理用であると言われている。
料理用バナナは生食用バナナよりデンプン、繊維質、ビタミンA等が豊富で、イモに近い感覚で加熱してから食べる。
アフリカ諸国には、個人の摂取カロリーのうち半分をバナナに依存する地域もあるぐらい栄養価が高い。
バナナは食物繊維が豊富で糖質22.6%、ビタミンB1、B2、Cのほか、カロテンを含有、また鉄、カルシウム、カリウムなどの無機質も豊富に含んでいる。生食のほか、サラダ、シャーベット、菓子材料などに用いるほか、ウイスキー、果実酒、アルコール原料にもなる。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・食材図典 (小学館)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)


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