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コムギ(小麦) 

商品写真
上・中:春日大社万葉植物園 コムギの開花
下:花博 鶴見緑地公園 実りの季節のコムギ

コムギ(小麦) Triticum aestivum Linnaeus 
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群Commelinids
   イネ目Poales
     イネ科 Poaceae コムギ属 Triticum

世界の三大穀物(小麦、米、トウモロコ)の一つ コムギ粉原料

利用部分 :種皮を除いた種子
利用   :食用(コムギ粉)、コムギデンプンに加工、医薬品の賦形剤
名前の由来:大麦に較べて穂が細く、穀粒も小さいの「小さい麦」、コムギに。
      又一説によれば、「古くから栽培されている麦」だから「古麦」と書いていたのが
     「小麦」と転化したという説、「粉にする麦」ということで「粉麦」と呼ばれていた
      ものが「小麦」となった説などがある。

イネ科コムギ属に属する一年草の植物。世界三大穀物の一つ。古くから栽培され、世界で最も生産量の多い穀物の一つで世界人口の半数近くがコムギを主食にしている
かつての日本でも、ムギといえば麦飯のオオムギの事であったが、食生活の変化で、コムギ粉を原料にするパンや麺の普及によりコムギが重要な位置を占めている。コムギ粉は日本では、うどんやソウメンの生産に使われることが多く“うどん粉”の名でもよばれていた。

コムギの起源は現在のカスピ海南岸地域、アフガニスタンからイラン、イラクにかけての乾燥地帯だと言われている。栽培の歴史はきわめて古く、今から1万年ほど前の新石器時代から。
コムギには一粒系、二粒系、チモフェービ系、普通系があり、これらを総称してコムギという。
このうち世界中で広く栽培されているのは、二粒系の中のヂュラムコムギ(マカロニコムギ)と普通系のパンコムギ(狭義のコムギ)の2種。


小麦は皮が非常に固いため、粒のままでは美味しくないため、粉状にして主にパンやパスタ、麺類、菓子に加工される。
主成分はデンプンがおよそ75%、タンパク質がおよそ9%、ビタミンBはオオムギに比べ低い。

意外な用途がフ(麩)でコムギから作られる。
コムギのタンパク質を麩素(ふそ)、グルテンといい、弾力と粘りを作り出す。麩が作れる。
麩の製法は室町時代、中国から伝わったとされる。コムギ粉を薄い食塩水でよくこねると粘り気が出てくる。これをザルに移して揉み水洗をくりかえし、デンプンや夾雑物を取り除くと後に塊が残る。これが生麩。生麩にコムギ粉やモチ粉などを適量加えて焼くと焼麩になる。栄養価も高く消化も良いので精進料理、汁物によく用いられる。
グルテンは大量のグルタミン酸を含み、うまみの素、グルタミン酸調味料の原料にもなる
食用にするほかコムギデンプンは薬の賦形剤にも使用される。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・食材事典 廣田孝子監修 (学研)
  ・食材図典 (小学館)

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