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Secale cereale
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>ツユクサ群
Commelinids
イネ目
Poales
イネ科
Poaceae
ライムギ属
Secale
英名:rye(ライ)
バッカク菌が寄生すると麦角が形成される。
使用
:ライムギ粉原料、黒パン製造、ウイスキー、ウオッカ原料
名前の由来
:英名のライよりライムギに
コムギに最も近縁のムギ類。ムギ類のなかでは一番寒さに強く寒冷地や痩せた土地でも栽培が可能。ドイツ、東ヨーロッパ、ロシア、北アメリカで主に栽培される。
コムギ同様、製粉しライムギ粉を作る。やや黒味を帯びた粉で、コムギ粉から作られるパンより黒くなるので、黒パンといわれる。乳酸発酵による酸味と風味はドイツを中心とする中部ヨーロッパやロシアの人々に好まれ、彼らは常食に黒パンを好んで食べる。製パンの他、アルコール発酵させてウイスキーや麦芽を造りウオッカの原料にする。
デンプンの他、タンパク質7%、脂質1%を含んでいる。
日本へは明治の始めヨーロッパから導入されたが、日本での栽培は殆ど無く、北海道でわずかに生産されるのみ。
ライムギを採るための栽培は殆ど無いが茎や葉は、青刈し飼料にされるため栽培される。
他に、
ライムギで特に注目されるのは、バッカク(麦角)菌との関係である。
バッカク(麦角)はムギ類、その他イネ科の植物の子房に子嚢菌の一種バッカク菌(Claviceps purpurea Tulasne)が感染し菌核をつくる。この様子がムギに角が生えたように見えることからバッカク(麦角)の名がある。リゼルグ酸、エルゴタミン、エルゴメトリ、エルゴクリスチンなどの麦角アルカロイドを含み極めて毒性が高い。
ムギ類、イネ科に寄生するバッカクだが、特にライムギに感染した菌核はバッカクアルカロド製造原料
となる。
麦角アルカロイドは交感神経を麻痺させ、血管を収縮し手足などの末端を壊死させる。
一方、子宮筋を著しく緊張させることから子宮緊縮、内部止血薬として陣痛促進、産後の子宮収縮不全、子宮出血に重要な薬として用いられる。
中世、しばしばヨーロッパを襲った飢饉により、バッカクで汚染されたライ麦さえも食べることを余儀なくされ、中毒を起こした人たちの記録が残されている。血管収縮により手足への血行が妨げられ、壊疽を起こす。手足を失うのみならず中枢神経にも深刻な影響を及ぼし、混乱、眠気、偏頭痛、目の痛み、更に痙攣を起こし最悪、死に至る。こうした中毒症状は“聖アンソニーの火”と呼ばれ恐れられた。この危険な作用にも関わらずヨーロッパの助産婦は子宮の収縮を促進させるため、麦角の活性成分が解明される何世紀も前から伝統的にお産に使っていた。
今日では麦角の活性成分等も解明され、正式な医薬品として、
分娩促進剤、偏頭痛治療薬として医療の場に供される
基となっている。
(現在では、エルゴタミンなどは化学合成により製造されている。)
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
・花と樹の事典 木村二郎(柏書房)
・食材図典(小学館)
・世界を変えた薬用植物 難波恒雄・難波洋子訳注(創元社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
・今日の治療薬 2017年版(南江堂)
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英名:rye(ライ)
バッカク菌が寄生すると麦角が形成される。
使用 :ライムギ粉原料、黒パン製造、ウイスキー、ウオッカ原料
名前の由来:英名のライよりライムギに
コムギに最も近縁のムギ類。ムギ類のなかでは一番寒さに強く寒冷地や痩せた土地でも栽培が可能。ドイツ、東ヨーロッパ、ロシア、北アメリカで主に栽培される。
コムギ同様、製粉しライムギ粉を作る。やや黒味を帯びた粉で、コムギ粉から作られるパンより黒くなるので、黒パンといわれる。乳酸発酵による酸味と風味はドイツを中心とする中部ヨーロッパやロシアの人々に好まれ、彼らは常食に黒パンを好んで食べる。製パンの他、アルコール発酵させてウイスキーや麦芽を造りウオッカの原料にする。
デンプンの他、タンパク質7%、脂質1%を含んでいる。
日本へは明治の始めヨーロッパから導入されたが、日本での栽培は殆ど無く、北海道でわずかに生産されるのみ。
ライムギを採るための栽培は殆ど無いが茎や葉は、青刈し飼料にされるため栽培される。
他に、ライムギで特に注目されるのは、バッカク(麦角)菌との関係である。
バッカク(麦角)はムギ類、その他イネ科の植物の子房に子嚢菌の一種バッカク菌(Claviceps purpurea Tulasne)が感染し菌核をつくる。この様子がムギに角が生えたように見えることからバッカク(麦角)の名がある。リゼルグ酸、エルゴタミン、エルゴメトリ、エルゴクリスチンなどの麦角アルカロイドを含み極めて毒性が高い。
ムギ類、イネ科に寄生するバッカクだが、特にライムギに感染した菌核はバッカクアルカロド製造原料となる。
麦角アルカロイドは交感神経を麻痺させ、血管を収縮し手足などの末端を壊死させる。
一方、子宮筋を著しく緊張させることから子宮緊縮、内部止血薬として陣痛促進、産後の子宮収縮不全、子宮出血に重要な薬として用いられる。
中世、しばしばヨーロッパを襲った飢饉により、バッカクで汚染されたライ麦さえも食べることを余儀なくされ、中毒を起こした人たちの記録が残されている。血管収縮により手足への血行が妨げられ、壊疽を起こす。手足を失うのみならず中枢神経にも深刻な影響を及ぼし、混乱、眠気、偏頭痛、目の痛み、更に痙攣を起こし最悪、死に至る。こうした中毒症状は“聖アンソニーの火”と呼ばれ恐れられた。この危険な作用にも関わらずヨーロッパの助産婦は子宮の収縮を促進させるため、麦角の活性成分が解明される何世紀も前から伝統的にお産に使っていた。
今日では麦角の活性成分等も解明され、正式な医薬品として、分娩促進剤、偏頭痛治療薬として医療の場に供される基となっている。
(現在では、エルゴタミンなどは化学合成により製造されている。)
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
・花と樹の事典 木村二郎(柏書房)
・食材図典(小学館)
・世界を変えた薬用植物 難波恒雄・難波洋子訳注(創元社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
・今日の治療薬 2017年版(南江堂)