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イネ(稲)

商品写真
上:滋賀県草津市の水田 イネの花
中:イネの実り
下:熊野古道 丸山千枚田

イネ(稲)Oryza sativa Linne 
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
   イネ目Poales
     イネ科 Poaceae イネ属 Oryza   
  
日本人の主食、お米

利用部分 :胚乳 ヌカ
利用   :食用、日本酒原料 コメデンプンに加工し医薬品の賦形剤に、糠はヌカ油原料に
名前の由来:イネの語源は諸説あり、1例では食糧として重要なものであることから、「いひね       (飯根・飯米)」の意味からとする説。イは息、命、ネは元、イノチノネ(命根)、
      生命の元からとも、 イネは食糧のほか藁を加工して多くのものが作られ、日本
      人の生活に貢献、かつて藁にくるまれて寝ていたからなどがある。

日本人をはじめ世界の約半数の人々が主食にしているのがお米。
イネ科植物にはイネのほかにも、コムギ、オオムギ、トウモロコシなどが主要穀物として、人々にとって大切な食用作物になっている。イネの品種は極めて多くイネの祖先としてイネ属中約25種が知られている。その中でイネ Oryza sativaは熱帯西アフリカからインド、セイロン島、ニューギニアに野生するオリザ・ペレンニスが祖先だとされている。オリザ・ペレンニスにはアフリカ、アジア、オセアニア、アメリカの4型があり、アジア型を祖先としインドで発生したと考えられている。インドに起源したイネ(アジアイネ)は縄文式時代中期にはすでに中国を経由して日本へ伝来していた。イネは元来が熱帯性の植物だが、品種改良が進み日本での栽培はだんだん北上し、今や北海道も米の一大生産地になっている。

イネの真ん中の太い所にイネの花が入っている。夏の天気の良い日に雄しべが伸び出て花粉を出し、下の雌しべに受粉する。米の元になる。お米が実るまではもうしばらく時がかかり、秋には豊かな実りの季節が訪れる。
実りの秋を迎え実った稲穂は重く垂れ下がる。この籾殻を取り去ったものが果皮をかぶった玄米で、これをついて皮や胚を取り除き胚乳だけにものが白米になる。

コメには多量のデンプン(コメデンプン)や脂肪、たんぱく質、ビタミンB群が含まれる。食用にするほか日本酒原料に、コメデンプンは医薬品の賦形剤などに利用される。また取り除かれた皮や胚が糠で、糠ミソの原料や飼料、化粧用に用いられ、油(ヌカ油)が抽出される。パルミチン酸 油酸、リノール酸等を含み主に石鹸の原料になる。


ー熊野古道の丸山千枚田―
「耕して天まで至る」たわわに実る段々畑の風景は、見る人たちにとっては日本の農村の原風景として、すばらしい景観と思うが、一方急な斜面を開墾し、水田に作り変えた先人の労苦は計り知れないものだっただろう。熊野古道の丸山千枚田は、上方の山に水源があり上から下へと水を流したことで、水田耕作が出来たのだと、説明してくれた。日本の棚田百選に選ばれている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・NHK Eテレ ミクロワールド  イネの花 みのりの仕組み

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