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サトウキビ(砂糖黍)

商品写真
上・中:奄美大島 強い風で一方に傾くサトウキビ
下:宮古島 畑に植え付けと成長した茎葉

サトウキビ(砂糖黍) Saccharum officinarum Linne
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
   イネ目Poales
     イネ科 Poaceae サトウキビ属 Saccharum

   砂糖の原料植物

利用部位 :茎
利用法  :食用、白糖、砂糖、単シロップの原料
名前の由来:砂糖の採れるキビ(黍。属名のSaccharumサッカルムは砂糖の意味

イネ科の熱帯生の多年草。原産地は定かではないが、熱帯アジア、特にインド、ニューギニアとその周辺が起源地とされている。現在は砂糖を採るため熱帯一般に広く栽培されている。日本では沖縄、奄美諸島などが主生産地となっている。温帯で栽培されるサトウダイコンと並んで、砂糖をとる植物としてもっとも重要な作物である。
長い1本の茎から、およそ4〜5本の2節苗をとって、ほ場に植え付けていく。茎の高さは品種により異なるがおよそ2〜6m。茎の太さは直径2〜5cm。竹に似て10〜20cm置きに節があり、各節から長さ1m以上もの葉がつく。
秋、茎の先に50〜60cmもある大きい穂を出す。その様子はオギ、アシに似ている。

イネやムギなどのイネ科植物の茎のように中が中空ではなく、茎の内部は柔組織で満たされこの組織中に15%前後のショ糖を含んでいる。生育期間は1〜1.5年で収穫する。

葉が少し黄色みを帯び、穂が出かかった頃、茎を収穫し圧搾機にかけて絞り汁を採る。黒糖の原料となる
。砂糖が今日のように甘味、甘味料として、一般庶民の口に入るようになったのは近世、明治以降のことで、それ以前、砂糖はごくかぎられた特権階級の嗜好品であった。江戸時代、砂糖は輸入にたより、砂糖そのものも長崎を窓口として日本に広まったと言われ長崎の出島は砂糖島といわれる程、砂糖の輸入が盛んにおこなわれていた。

     サトウキビ幹
       Photo:大阪薬科大学 薬用植物園
    竹のように節のある太い茎を圧搾機でしぼると、黒糖の原料の搾り汁が得られる。


参考文献
  ・2朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・食材図典 (小学館)

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