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クマザサ(隈笹)

商品写真
Photo:駒込 六義園 庭園

クマザサ(「隈笹)Sasa veitchii Rehd 
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群Commelinids
    イネ目Poales
      イネ科 Poaceae ササ属 Sasa 

クマササ茶などの飲用、また民間薬に

利用部分 :全草
利用   :民間薬、健康食品
名前の由来:ササで葉の縁が白く隈とりされることから。

ササの名はササタケ(細いタケという意味)からとも、葉が風にふかれ、さわさわと振れあう音からともいわれている。
東南アジアから日本にかけて広く分布し、竹とともに私たちに親しまれている。
5月節句の「ちまき」に使われるチマキザサ、チシマザサ、ミヤコザサ、クマザサなどが代表的。

クマザサはイネ科ササ属の植物の1種で、若葉のうちは全体が緑色をしているが、晩秋には縁辺が黄色くなりやがて鮮やかな白でくまどりされる。葉の周りが白でくまどられているのでクマザサ(隈笹)の名が付いた。熊笹の字も当てられるが本来は「隈笹」。葉の隈取りが好まれ日本庭園によく似合い植栽される。

近年、ササの葉に抗がん成分「バムフォリン」が含まれ「がん」に効くといわれ研究され話題となっている。治療だけでなく普段から飲んでいると予防にも役立つという。

漢方でも、ハチクの葉を竹葉、白いアマ皮を竹茹(チクジョ)といい、此れを配合した処方があり解熱、解毒、咳止め、鎮静剤に用いられている。その他瀝竹瀝(竹のあぶら)、竹の皮、根など組み合わせた処方が沢山あり、解熱、解毒、咳止め、止血のほか炎症や腫れ物などいろいろな疾患に使われてきた。

ササの葉に含まれる成分にはトリテルペノイド、ミネラル、葉緑素、ビタミンC・K・B・B
ほかにカルシウムが多く含まれる。血液の弱アルカリ化と葉緑素の緑は胃炎に効果がある。


青汁やお茶にすると良く古くから民間薬として、胃弱の人、高血圧の人に利用されてきた。
笹だんご、笹アメ、チマキなど笹で包む食品は多い。いずれもササの防腐作用を期待したものだ。
実際、多くの笹に含まれている、安息香酸には殺菌、防腐効果が認められている。


主要成分
トリテルペノイド、フラボノイド、ミネラル、葉緑素、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB
ビタミンB、カルシウム、バムフォリン、アラビノキシラン、リグニンなど

漢方処方例
  ・竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)    
  ・竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男監修 (主婦の友社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)
  ・日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・漢方あれこれ 読売新聞社編 (浪速社)

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