タンジン（丹参）

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上･下:大阪薬科大学　薬用植物園　　タンジンの花

タンジン（丹参）Salvia miltiorrhiza Bunge
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
　　　シソ目Lamiales
　　　　　シソ科Lamiaceae　サルビア属（アキギリ属）Salvia

生薬名　　：タンジン（丹参）
利用部分　：根　
利用　　　：民間薬
名前の由来：根の色が赤い事から。

タンジンといっても私たちにはあまり馴染みの無い植物だが、園芸やハーブの類でよく知られているシソ科の赤いサルビアの仲間といえば、ほぼそのイメージが浮かぶ。高さ１ｍ程になる大型の多年草。中国からベトナムにかけてが原産地。特に四川省で栽培されている。
日本では漢方処方には配合されないが、中国の「神農本草経」では上品に収載されるほど古い伝統のある生薬。初夏　セイジの花に似た淡い青紫の花を咲かせる。根は長く伸びゴボウ状の円柱状。根の外皮が赤いため丹の名が付いている。

李時珍は五参（人参、紗参、玄参、紫参、丹参）の５色の色と関連臓器(五臓）を陰陽五行説ととの関係を説いている。
李時珍の説によると人参は脾に、紗参は肺に、玄参は腎に、紫参は肝に、丹参は心に配されるとの事で血をめぐらす効にすぐれているという。

伝統的に心臓、循環器系の疾病に用いられ、特に心臓の過剰な熱を取り除き、血行を促進する作用が知られている。血管拡張、血圧降下、抗酸化、抗炎症、鎮痛作用など多方面に有効で、その効力から婦人科疾患の月経不腸、腹痛、閉経、産後の悪阻腹痛、リウマチなどにも用いられる。

成分
　　タンシノン（tanshinone Ⅰ､Ⅱ-B）、クリプトタンシノン（cryptotanshinone）、
　　タンシノール（tanshinol）など

属名の基となった同属植物
サルビア・スプレンデンス　Salvia splendese

サルビアは非常に種類が多く、全世界で７００種類程が知れれ、熱帯から亜熱帯まで広く分布している。
観賞用に栽培されるサルビアは１５～１６種類ほどがよく知られているが、一般に単にサルビアとい場合はこの赤い花の事をいう。
　　　　　サルビア加茂川

　　　　Photo：京都　賀茂川沿い河川敷花壇

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・原色和漢薬図鑑　下　難波恒雄著(保育社)　
　　・漢方　生薬学　木村孟淳　不知火書房

タンジン（丹参）

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