ニラ（韮）

商品写真
上：北九州　平尾台　
中：国東半島　六郷満寺付近の畑
下：ニラの満開の花

ニラ（韮）Allium tuberosum Rottler 　　
　　単子葉植物　Monocots
　　　キジカクシ目（クサスギカズラ目）Asparagales
　　　　　ヒガンバナ科 Amaryllidaceae（←ユリ科 Liliaceae）ネギ属 Allium

古代からの健康　スタミナ野菜

ガーリックチャイブAllium tuberosumと類似。学名も同じ。　　

生薬名　　：�ー鏤劼鬟�ョウシ（韮子）　�⇒奸�茎をキョウハク（韮白）
利用部位　：�〔�用　�⇔鼠�(葉、茎、花）
名前の由来：古代では「みら」と呼ばれていたがなまって「ニラ」になったと言われている。

中華料理の食材のイメージが強い野菜だが日本では、古事記や万葉集にも記述があるほど、古くから親しまれている健康野菜。
『古事記』では加美良（かみら）、『万葉集』では久々美良（くくみら）、『正倉院文書』には彌良（みら）として記載がある。
夏、長く伸びた花茎の先に繊細な星形の小花を多数咲かせる。花にはネギ臭はなくむしろ甘い香りがする。果実の中には黒い種子が６粒ほどはいる。

漢方では種子をキョウシ（韮子）と称し頻尿などの泌尿器性疾患や倦怠感などに用いる。ニラはカロチン含有率が特に多くビタミンＡ、Ｂ2、Ｃ、カルシウム、カリウムなどの栄養成分を豊富に含む緑黄色野菜。ニラに含まれる硫化アリルは、ビタミンＢ1を体内に長く留めておく作用があるので、スタミナ増強食品として使える他、新陳代謝も促すので、食欲増進、風邪の予防などにも効果が期待できる。また下痢にもニラ粥にすると良いといわれている。ただし、胃腸の弱い人やアレルギ−体質の人は、食べ過ぎに注意。
疲労回復、冷え症改善、整腸作用、食欲増進、消化促進、老化防止、ガン予防が期待できる。

栄養成分と特徴
　　・硫化アリル・・・消化促進、ビタミンＢ１の吸収を助け、その効果を持続させる。
　　　　　　　　　　　血栓予防、血液循環改善　冷え性や肩こり改善効果
　　・β-カロテン、ビタミンＣ・・・抗酸化作用、老化防止
　　・ビタミンＢ１、ビタミンＢ2
　　　　　　　・・・B１は糖質をエネルギーに変える酵素の働きを助ける補酵素として働く。
　　　　　　　　　　Ｂ２は脂質、蛋白質、糖質をエネルギーに変える補酵素として働く。
　　・ビタミンK･･･骨を丈夫にする。
　　・カリウム・・・塩分の排泄を促し血圧降下が期待できる。　
参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・万葉の植物　　松田　修著　（保育社）
　　・食材図典　　（小学館）
　　・食材事典　廣田孝子監修（学研）
　　・食品成分表　２０１７　（東京法令）

（コメント）従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類が用いられるようなってきている。単子葉植物の科の定義中、最も大きな変革はユリ科の分類の中で行われた。エングラーの分類ではユリ科はユリ、ネギ、アロエ、リュウゼツラン、サルトリイバラ、チシマゼキショウなど広範囲の種が含まれていた。これらは分子系統から単一の系統ではなく多系統であることが分り再編された。
その結果、従来ユリ科　ネギ属のネギの仲間は、APG�兇任魯優�科が、新たに新設されネギ科になっていたが、APG�靴任蓮▲�ジカクシモ目のヒガンバナ科に含まれるようになり、ヒガンバナ科　ネギ属になった。





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