タマネギ(玉葱)

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Photo：奈良　平群町の畑　
葉が７～８割、倒れる頃が収穫間近になる

タマネギ(玉葱)Allium cepa Linne　
　　単子葉植物　Monocots
　　　キジカクシ目（クサスギカズラ目）Asparagales
　　　　　ヒガンバナ科Amaryllidaceae （←ユリ科 Liliaceae）ネギ属 Allium

　　 Onion

利用部分　：鱗茎
利用　　　：食用、薬用
名前の由来：地下部の鱗茎が球状に肥大するネギ

原産は中央アジアとされるが、栽培の歴史は古く、紀元前２７～２５世紀のエジプトではすでに栽培されていたとの事だ。南ヨーロッパには紀元前に、アメリカには１７世紀に伝わった。
日本へは、江戸時代に長崎の出島に伝わっていたが、本格的な栽培は明治に入ってから、アメリカから種子をとりよせ、北海道で始まったのが最初。以来洋食の普及とともに、広く栽培され、発祥地の北海道は無論、大阪、和歌山、兵庫、愛知、静岡、佐賀の各府県は有名な産地になっている。

生で食べた時の辛味の強弱で、辛味系、甘味系に、またタマネギの皮の色で黄タマネギ、赤タマネギ（紫赤）、白タマネギに分けられる。現在タマネギは辛味品種、黄玉ネギが主流になっている。

生のときは特有の辛味があるが、加熱すると甘味が増す。加熱することで、辛味成分が甘味の強いメルカプタンに変り甘味とコクが増してくる。
サラダやスープ、和食、洋食、中華など、いずれにも幅広く利用できる野菜だ。

栄養価の点でも優れ、タマネギ特有の臭い、辛味は含まれる硫化アリルの一種アリシンによるもので、ビタミンＢ１の吸収をたかめ、その作用を持続させる。疲労回復やスタミナ増強が期待でき、また硫化アリルは血液サラサラ、血栓を出来にくくする効果があり、動脈硬化の予防に効果がある。タマネギの黄色い皮はポリフェノールの一種ケルセチンで抗酸化作用がありアンチエイジングに役立つ。その他、ビタミンＣやビタミンＢ６も含む健康野菜で体を元気にしてくれる優れもの。

栄養成分と特徴
　　・硫化アリル・・・消化促進、ビタミンＢ１の吸収を助け、その効果を持続させる。
　　　　　　　　　　　血栓予防、血液循環改善
　　・ケルセチン、ビタミンＣ・・・抗酸化作用、老化防止
　　・ビタミンＢ６・・・蛋白質の代謝に必須のビタミン
　　・カルシウム･･･骨を丈夫に、
　　・カリウム・・・塩分の排泄を促し血圧降下が期待できる　

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・食材図典　　（小学館）
　　・食材事典　廣田孝子監修（学研）
　　・食品成分表　２０１７　（東京法令）

（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APGⅢ分類が用いられるようなってきている。単子葉植物の科の定義中、最も大きな変革はユリ科の分類の中で行われた。エングラーの分類ではユリ科はユリ、ネギ、アロエ、リュウゼツラン、サルトリイバラ、チシマゼキショウなど広範囲の種が含まれていた。これらは分子系統から単一の系統ではなく多系統であることが分り再編された。
その結果、従来ユリ科　ネギ属のネギの仲間は、APGⅡではネギ科が、新たに新設されネギ科になっていたが、APGⅢでは、キジカクシモ目のヒガンバナ科に含まれるようになり、ヒガンバナ科　ネギ属になった。

タマネギ(玉葱)

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