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タマザキツヅラフジ(玉咲蔓藤)

商品写真
上・下:日本新薬 山科植物資料館 タマザキツヅラフジの花(蕾)

タマザキツヅラフジ(玉咲蔓藤) Stephania cepharantha Hayata
  真正双子葉植物 Eudicots>基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
   キンポウゲ目 Ranunculales
     ツヅラフジ科 Menispermaceae ハスノハカズラ属 Stephania

セファランチン製造原料植物

利用   :製薬基原植物 製薬原料
利用部分 :根茎
名前の由来:1914年当時の台北帝国大学教授の早田文蔵博士がこの植物を「台湾植物図鑑」に
      学名 「Stephania cepharantha Hayata」として発表し、 1917年に「玉咲ツヅラ
      フジ」と命名した。

台湾、琉球諸島、中国の揚子江以南などに、その他熱帯に分布し日本には自生しない。
葉の形は同じ属のハスノハカズラにそっくり。長い葉柄に楯状につく。
葉腋から長い花軸を出し先に10数個の小花の固まりを咲かせる。花弁は4枚、がく片が4枚、
雌雄異株。つる性の下部は木化した塊根になっている。

台湾の原住民たちは標高700mの山地に自生する本植物の塊茎を古くから蛇咬傷時の民間薬として珍重利用されてきた。その他結核、レプラ(ハンセン病)などの治療にも用いたりしてきた伝統のある生薬。

タマサキツツラフジより抽出分離されたアルカロイドは結核菌の発育を阻止することから結核菌に有効であることが1934年当時の帝国東京大学教授の長谷秀治博士より発表され、以来1942年に結核の治療及び予防の医薬品として承認され使用されてきた。
レプラ(ハンセン病)ライ菌は結核菌と同じ桿菌(かんきん)の一種で抗酸菌(空気を好む菌)の仲間でなので共通した効力があるのだろう。以来結核の治療、予防の医薬品として、そのほか百日咳、気管支喘息、胃潰瘍、胃炎、などに適応されてきた。

現在、タマサキツヅラフシ抽出精製アルカロイド、セファランチンは放射線による白血球減少症、円形脱毛症・粃糠性脱毛症、滲出性中耳カタル、まむし咬傷の適応を持つ医療用医薬品として医療の場に供されている。

成分
 ビスベンジルイソキノリン型(慣用名:ビスコクラウリン型)アルカロイド
    セファランチン、イソテトランドリン、シクレアニン、ベルバミン

参考文献
   ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
   ・製薬会社 セファランチン添付文書・インタビューホーム
   ・植物分類表 大場英章 編著  (アボック社)・

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