バイケイソウ（梅蕙草）

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上：御嶽山7合目、行者小屋付近
中：栂池自然園
下：弥山　バイケイソウの芽生え

バイケイソウ（梅蕙草）Veratrum grandiflorum　Loesenel　fil
　　単子葉植物　Monocots
　　　ユリ目 Liliales
　　　　　シュロソウ科　Melanthiaceae (←ユリ科 Liliaceae)　シュロソウ属 Veratrum

生薬名　　：バイケイソウ根（梅蕙草根）、ハクリロコン（白藜蘆根）
利用部位　：根茎　　　
利用　　　：農用殺虫剤　
名前の由来：花弁は6枚あるが、花が梅に似ている様子と葉がシラン（万葉の頃はシランのことを
　　　　　　ケイ（蕙）と言った）に似ていることからバイケイソウ。

7～８月にかけて高い山に登ると、緑がかった白い花をびっしりと咲かせた1ｍは越すかと思われる見事な草丈のバイケイソウに出会う。日本ではバイケイソウの仲間は高山植物で有名なコバイケソウとシュロソウの2種のみが自生する。同属の高山植物で有名なコバイケソウは真っ白な花が咲くが、バイケイソウは薄緑色の花で、やや地味な感じがする。
コバイケソウが高山に自生する植物なのに対し、やや低い亜高山からさらに低い山地帯の湿った草地で見かける。

全草に特に根茎や根にベラトラミン、ジェルビンなど多くのアルカロイドを含み有毒。ヨーロッパ中南部、アジア北部に自生する同種のVeratrum album Linneの根茎をハクリロコン（白藜蘆根）といい農業用殺虫剤に用いていた。バイケイソウもこれに準じて農作物の害虫駆除の使われ方をしていたが現在は使われない。

大きく成育し花が咲くと誰も間違わないが、春先、芽出しの頃の、いかにも軟らかく、瑞々しい様子が山菜に利用されるオオバギボシ（ウルイ）と間違われる。食べると中毒を起こし危険なので要注意。食べてはいけない。
下のPhotoは、奈良　大峰山系の弥山でのバイケイソウの芽生えの様子。

成分
　　アルカロイド：ベラトラミン、プロトベラトリン、ジエルビンなどを含有。有毒。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・野草の名前　夏　高橋勝雄著　（山と渓谷社）

(コメント7）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APGⅢ分類が用いられるようなってきている。
その結果従来　ユリ科とされていたバイケイソウやコバイケソウは、シュロソウ科が新たに創設され独立したため、シュロソウ科に移動した

バイケイソウ（梅蕙草）

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