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パナマソウ

商品写真
上:日本新薬 山科植物資料館葉
中・下:東京薬科大学薬用植物園 パナマソウの花と葉柄

パナマソウ Carludovica palmata Ruiz et Pavon
  単子葉植物 Monocots
   タコノキ目 Pandanales
     パナマソウ科 Cyclanthaceae パナマソウ属 Carludovica

 別名:パナマハットプランツ(Panama hat plant)、トンキラヤシ

利用部位 :新芽
利用   :繊維から夏用の帽子を作る
名前の由来:製品になった帽子が中米のパナマ港から輸出されたので、パナマ帽の名がつき、
      原料の植物自体もパナマの名が付けられた。

現在、男性が帽子をかぶる習慣は薄れたが、一時代前の紳士の夏の必須のアイテム、パナマ帽はこのパナマソウの新芽の繊維から作られる。
パナマの名が付くがパナマが原産ではなく南米ペルーやエクアドルが原産。パナマソウ科はサトイモ科とヤシ科の中間のような形をしている。パナマソウは別名をトンキラヤシと呼ぶこともあり、全体がヤシの子供のようだが、地上茎はなく、多数の葉が根元から叢生する。
葉柄は2m以上になり、葉は濃い緑、直径1mほどもあり、掌状に深く4裂する。それぞれの裂片はさらに細かく裂ける。
肉穂花序の花は、雌雄同株で肉穂の上にらせん状に並び、大きい雌花の周りには4個の雄花が取り囲む。肉穂花序は葉の根元に数個付く。果実が熟すと肉状花序とともに赤く染まり目立つ。

パナマ帽の原料として栽培もされており、植えつけてから2年目から採葉できる。新葉は1カ月に1枚の割合で増えるので年間12枚の葉が採れる。
新芽がまだ開かない時に刈り取り葉を裂き、硬い繊維は除き熱湯に浸し20分ほど煮た後、日光で乾燥、漂白した後、繊維が得られる。この繊維で編まれた帽子は、軽くて軟らかく、しかも丈夫なことから夏帽子の最高級品とされている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・植物分類表 大場英章 編著  (アボック社)

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