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ビャクブ(百部)

商品写真
上・中:京都薬科大学薬用植物園 ビャクブの花
下:東京薬科大学薬用植物園 蔓状に伸びる

ビャクブ(百部)Stemona japonica Miquer
  単子葉植物 Monocots
   タコノキ目 Pandanales
     ビャクブ科 Stemonaceae ビャクブ属 Stemona

生薬名  :ビャクブ(百部)
利用部位 :根(地上部が枯れた頃)
利用   :漢方処方薬 民間薬、殺虫
名前の由来:漢名の百部から。
      百部は中国の書物『名医別録』の中品に収載され李時珍は「その根が多く百数十の根
      が一隊の部隊のように見えるところから百部と名付けられた」と述べている。
 

ビャクブ属は世界では25種ほどが知られているが、日本には野生種はない。
中国原産のヒャクブとタチヒャクブの2種が薬用として享保年間に輸入され、以来栽培されている。ビャクブ Stemona japonica はジャポニカの種小名が付くが日本産ではない。
別名ツルビャクブの名があるようにつる性で他のものに巻きつき成長する。葉は広楕円形 3〜4枚の葉が輪生し、平行する5葉脈が目立つ。
初夏4花被の淡緑色の花をつける。花柄が葉柄と合着しているので、一見すると葉の上で花が咲いているように見えるユニークな形をしている。

根は紡錘状に肥厚し大きくなる。地上部が枯れる頃、掘り起こし乾燥する。アルカロイドを含み有毒であるが、薬用としての実用面での歴史は古く根を煎じた液は、農業用の殺虫剤として、また皮膚の疥癬、特にシラミ(アタマジラミ、コロモジラミ)の駆除に用いられた。江戸時代には茎を乾燥させたひも状を「シラミひも」と称し肌着に結びつける習慣があった程だ。

漢方ではまれに肺結核での鎮咳や一般的な鎮咳にも用いるのみで、外用での皮膚寄生虫の殺虫駆除が主。その他回虫、蟯虫の寄生虫駆除にも用いられた。
いずれにして有毒なアルカロイドを含む有毒植物なので取り扱いには要注意

成分
アルカロイド:ステモニン、ステモニジン、イソステモニジン、プロトステモニン、ステモホリン   など

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)られた
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・原色和漢薬図鑑 上 難波恒雄著(保育社) 
  ・植物分類表 大場英章 編著  (アボック社)
  ・日本薬草全書 水野瑞夫監修 田中俊弘編集 新日本法規





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