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ビロウ(蒲葵、枇榔、檳榔)

商品写真
上:青島 海岸に自生するビロウの樹木
下: 青島 青島神社とビロウ

ビロウ(蒲葵、枇榔、檳榔)Livistona chinensis var subglobasa Becc
  単子葉植物 Monocots >ツユクサ群 Commelinids
   ヤシ目 Arecales 
     ヤシ科 Arecaceae (Palmae) ビロウ属 Livistona

別名:ホキ(蒲葵の音読み)、クバ(沖縄 南九州では)

利用部分 :幹材 葉
利用   :柱材、扇、笠などの細工物に
名前の由来:古名ではアジマサであったが檳榔の字が用いられたため、別種ビンロウと
      似た名になった。

ビンロウとよく混同されるが、属する種類が異なり別のもの。九州、沖縄、小笠原などの暖地の海岸に自生する。
ヤシ科の高木で、葉は長い葉柄を持ち、幹の先端から大きく四方に葉を広げる。幹は丸太のまま床柱に、葉は晒して細く裂き扇や笠を編むなど細工物として利用する。新芽は食べれる。

ビロウの葉は古くから利用されていてアジマサという名で日本書紀にも登場する。記紀などで檳榔の字が用いられたため、別種ビンロウと混同された。沖縄では御嶽という神聖な場所に生えるビロウは、ご神木として崇められる。

平安時代には扇や牛車の車箱に使われた。葉を白く晒し細かく裂いた檳榔毛で葺いた牛車は檳榔毛車(びろうげのくるま)といわれ天皇を初め上級貴族のみが使用する特別のものとして扱われた。

宮崎の青島には海彦 山彦の神話で知られる彦火々出見命と豊玉姫命をご祭神として青島神社が祭られている。
青島は北半球最北のヤシ科植物の群生地であり、ビロウが群生することで知られる。全島が熱帯・亜熱帯植物の群生地として、「青島亜熱帯性植物群落」として国の特別天然記念物に指定され保護されている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・原色和漢薬図鑑 下 難波恒雄著 (保育社) 
  ・植物分類表 大場英章 編著  (アボック社)
  ・花と樹の事典 木村陽二郎監修 (柏書房)

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