セキショウ（石菖）

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上・中：下鴨神社糺の森　瀬見の小川に自生するセキショウ
下：花博記念公園　セキショウの肉穂花序

セキショウ（石菖） Acorus gramineus　Soland. ex Aiton
　　単子葉植物　Monocots
　　　オモダカ目　Alismatales
　　　　　ショウブ科　Acoraceae　(←サトイモ科　Araceae)　ショウブ属　Acorus

生薬名　　：セキショウ（石菖）
利用部位　：根茎
利用　　　：芳香性健胃薬　鎮痛、鎮静薬、健忘症、リウマチなどに。浴剤に使うと良く温まる。
名前の由来：ショウブ（菖蒲）に似て岩場などでも生えていることから

山地の渓流側の岩場や水辺に自生する多年生草本。日本庭園の水辺によく似合い植栽されている。

ショウブよりはるかに小型で冬でも常緑。葉の中央の葉脈、中肋は不鮮明。切ると良い香りがする。芳香成分はショウブと同じ。利用方法もショウブと同様の使い方がされる。
春、黄緑色の10cmほどの細長い肉穂花序を花茎の頂上につける。

本Photoの糺の森には、方丈記を執筆した鴨長明が詠んだ歌
「石川や　瀬見の小川の　清ければ　月も流れを　たずねてぞすむ」の瀬見の小川が今もながれ、セキショウが群生している。

主な成分
　　・精油　0.5～0.8％：アサロン
　　・その他カリオフィレン、フムレン、セキショーンなど

方丈記を執筆した鴨長明が晩年暮らした庵　方丈の復元　　
　
　

　 Photo：下鴨神社　河合神社境内

鴨長明は５０歳を過ぎた頃から全ての公職から離れ、方々を転々として暮らした。各地を移住している間に移動に便利なように全て組み立て式の住居、大きさは１丈（約３ｍ）4方の大きさの住居を造り暮らした。
１丈４方の大きさから方丈の名が付く。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・山野草　ハンドブック　伊沢一男　　(主婦の友社）

（コメント）
近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧⅠが発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧⅢが発表されるに至っている。
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APGⅢ分類が用いられるようなってきている。
その結果従来　サトイモ科とされていたショウブやセキショウははショウブ科として独立した科が設けられ移行した。

セキショウ（石菖）

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