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サトイモ(里芋)

商品写真
Photo:中央道 駒ヶ根インター付近の畑   

サトイモ(里芋)Colocasia antiquorum Schott esculentum Engler 
  単子葉植物 Monocots
   オモダカ目 Alismatales
     サトイモ科 Araceae サトイモ属 Cococasia
 

利用部位 :球茎(芋)と葉柄(ズイキ)
利用   :食用
名前の由来:ヤマノイモに対し里で作ったイモの意味。

サトイモ科の多年草。熱帯アジア原産。熱帯・温帯で広く栽培される。太平洋の島々の原住民が主食にする重要な作物の一つ。
日本への渡来は非常にふるく、万葉集にすでに「イエノイモ」として登場することか、昔から栽培されていたことが伺える。
葉は長い葉柄につき、卵形で深く二裂する。地下茎の親イモから出た枝が太って子イモ、孫イモになる。多くの子イモが出来ることから子孫繁栄の象徴として正月のお祝い、秋の月見、収穫の農耕儀礼や神事に広く用いられなど、日本人の生活に深くかかわってきた。

サトイモはデンプンが主成分だが、食物繊維に富み、独特の「ぬめり」のある粘液を含んでいる。ぬめり成分はムチンとガランタミンなどで、ムチンは消化促進作用とともに、胃腸の表面を保護し、胃潰瘍や腸炎予防に効果的。またガランタミンには免疫力を高める作用がある。食物繊維には整腸作用があり便秘解消やコレステロールの排出など脂質代謝も改善する。また豊富に含まれるカリウムは余分なナトリウムの排出を促すなど、高血圧の予防改善にもなる。

サトイモの茎の部分もそのまま、あるいは干して乾燥させたものが『ずいき』で、これも食用にする。主に初夏から夏にかけて収穫され、市場に出回る。酢との相性がよく、きれいな紅色に発色することから、見た目にも涼やかで、あっさりした食感から夏の食卓を彩る食材として好まれる。
昔の人の言い伝えでは「産後の女性」が食べると体に良いといわれている。栄養価の面からもミネラル、鉄分が含まれることからかもしれない。
いずれにしても日本古来の和の食材「サトイモ」を栄養健康食品として再認識し、いろいろの料理に応用して私たちの食卓を豊かにしていきたいものだ。

参考文献 
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・食材図典  (小学館)
  ・食材事典 廣田孝子監修(学研)
  ・植物分類表 大場英章 編著 (アボック社

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