センナ(Senna Leaf)

商品写真
上・下：日本新薬　山科植物資料館　
黄色の５弁の花を咲かせる。

センナSenna Leaf　
チンネベリーセンナSenna　angustifolia Batka（←Cassia　angustifolia Vahl ）
真正双子葉植物 Eudicots＞中核真正双子葉植物 Core Eudicots＞バラ類 Rosids＞マメ群 Fabids
　　マメ目 Fabales
　　　　マメ科 Fabaceae（Leguminosae） センナ属 Senna (←カワラケツメイ属 Cassia　)

別名：Indian senna

日本薬局方センナは
　　　・チンネベリーセンナ（Tinnevelly senna）Senna　angustifolia Batka
　　　・アレキサンドリアセンナ（Alexandria senna）Senna alexandrina Mill　
　　　　　　の小葉と定めている。


生薬名　　：センナ
使用部分　：葉（小葉）
使用　　　：日本薬局方生薬、民間薬　センナ末
名前の由来：アラビア語でこの植物をサナーという名でよんでいた事に由来。

チンネベリーセンナは紅海東部からインドにかけてが産地でインド南端のチンネベリー地方に栽培されるのでチンネベリーセンナという。一方アレキサンドリアセンナはアフリカ、ナイル川中流地方が原産で、アレキサンドリア港から輸出されるのでアレキサンドリアセンナといわれる。
古くから用いられる緩下薬。主に熱帯に分布し、本邦には全く自生しない。全て輸入され現在日本への輸入はチンネベリーセンナが殆どで、アレキサンドリアセンナはあまりない。

センナは樹高１m程の常緑低木。葉は互生し偶数の羽状複葉で、小葉は４〜１０対（アレキサンドリアセンナはやや少ない）総状花序を頂生し黄色い花を咲かせる。
マメ科だがマメ科特有の蝶形の花ではなく5弁の花弁は平開し、おしべも癒着した単体おしべをつくらずに放射状に離生している花の後、扁平長楕円形の豆果が出来る。

小葉を乾燥したものを生薬で「センナ葉」といい、センノシドＡ、Ｂ、クリソファノールなどを含み便秘症の緩下薬にされる。センナ末はセンナ葉を粉末にしたもの。
ダイオウやセンナに含まれるセンノシドは小腸では吸収されず大腸に常在する腸内細菌によって、分解され活性体のレインアンスロンになる。プロドラッグの形をとっている。
レインアンスロンは大腸で吸収され大腸の蠕動運動を高め排便を促す。迂回したような方法だが、レインアンスロンそのものを服用すると激しい嘔吐がおきるという。しかしセンノシドであればそういう事は起きない。必要な場所で必要な効力を発揮する。天然物が持つ優れた Drug delivery systeｍ（薬物輸送システム）だ。
センナがその効力を発揮できるか否かは、健全な腸内細菌の集団の形成により左右される。

主な成分
　・アントラキノン：クリソファノール、アロエエモジン、レイン
　・アントロン：センノシドＡ、Ｂ
　・フラボノイド：ケンフェロール

（コメント）
これ迄、植物を系統的に分類する方法ではシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物、単子葉植物と双子葉植物というような方法が親しまれてきたが、近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧ�気�発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧ�靴�発表されるに至っている。
その結果、従来カワラケツメイ属に属していたセンナは、センナ属が創設されたことによりセンナの仲間とともに全てセンナ属にまとめられた。

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