フジマメ（藤豆）

商品写真
上・中：大阪薬科大学薬用植物園　　白花
下：京都府立植物園　紫のフジマメ　下：莢と種子 　

フジマメ（藤豆）Dolichos lablab　Linne　Dolichos
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
　　マメ目Fabales
　　　　　マメ科Fabaceae（Leguminosae）フジマメ属 Dolichos
　
別名：センゴクマメ(千石豆)、アジマメ(味豆)

生薬名　　：ヘンズ（扁豆）ハクヘンズ（白扁豆）
利用部分　：�ー鏤辧´⊆磴よ�
利用　　　：�‘�本薬局方生薬、漢方処方薬、薬用　�⊃�用
名前の由来：花の色、形が同じマメ科のフジに似ているため。但しフジの花房を逆にしたように、
　　　　　　花序は上に向いている。
　　　　　　ヘンズは扁平な豆の意味だが、必ずしも平らとは限らず、丸みを帯びたものもある。

　
熱帯アフリカが原産といわれるが、現在では、熱帯各地やアジアなど世界各地で栽培される。本来熱帯では多年草だが温帯では１年草になっている。高温にも、乾燥にも強く栽培は難しくなく、花も美しい。葉はクズの葉のように三出複葉、全縁互生する。
春エンドウ豆の収穫が終わった頃、６月中旬頃から開花し始め２週間程度で実る。秋にかけても次々開花結実するので、長期にわたり収穫できて重宝される。未熟果のさやはエンドウと同じようにして食べられる。若い莢をさっと塩茹でし和え物やお浸しにいたり、煮物や炒め物にする。天ぷらにしても美味しい。
花は紫、または白の蝶形の花を節毎に２〜４個ずつ付ける。フジマメの種子は扁平で長楕円形をしている。豆の色も白、黄、黒とある。白花からは白い種子が採れる。薬用には白いものが用いられるのでハクヘンズ（白扁豆）の名がある。

フジマメは特に別名が多く紛らわしい。１６５４年、隠元禅師によって中国からもたらされたため関西ではフジマメをインゲンマメ（隠元豆）といっているが本来のインゲンマメ（Phaseolus vulgaris Linne)とは別種のもの。
漢方では、健胃、解毒薬として胃弱、下痢、嘔吐、浮腫などに用いられる。

主要成分
　・スコポレチン
　・ブドウ糖、ショ糖などの多量の糖類
　・デンプン
　・スチグマステロール、リン脂質
　　その他に少量の青酸配糖体

フジの花
　　　　 フ ジ　
　　　　　　Photo:春日大社　万葉植物園　　花房は下垂する。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・食材事典　廣田孝子監修　（学研）
　　・食材図典（小学館）

（コメント）
フジマメとはきれいな名前だ。実物の花もフジの花を逆さまにしたように上に向かって咲き、勢いがありきれいだ。葉はクズと同様、三小葉、つる性で成長も良い。立ち上る花茎に多くの花が付き実るのだから、収率は確かに良いだろう。食用にはサヤエンドウのように若い莢を野菜として食べる。完熟すると固くなる。栽培には高温が必要なので、暖地でないと栽培には適さないそうで関西以西で小規模に栽培されているので、あまり畑で栽培されているのを見かける機会は少ない

科目別の一覧