エンドウ/ツタンカーメンのエンドウ豆

商品写真
上:大阪市立長居植物園
中・下:東京都立薬用植物園 花と暗紫色の莢

ツタンカーメンのエンドウ豆
 アカエンドウ Pisum sativum var arvense

真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>バラ類Rosids>マメ群Fabids
   マメ目Fabales
     マメ科Fabaceae(Leguminosae) エンドウ属 Pisum 

別名:古代エンドウ豆、紫エンドウ

利用部分  :種子
利用    :食用
名前の由来 :ツタンカーメ王の陵墓の副葬品として発見されたエンドウマメ。

エンドウの栽培の歴史は非常に古く、古代ギリシャ、ローマにも記述等が見られるなど、有史以来、人々の食料にされてきた。古代エジブトでも食料としていたのであろう。

1922年に古代エジプトのツタンカーメン王の王陵が発掘された時、数多くの副葬品の中から当時の食料が一緒に埋葬されていたのが見つかったという。その中にエンドウ豆があり、発掘者のカーター氏はそれを持ち帰り発芽、栽培に成功した。そして「ツタンカーメンのエンドウ豆」として各地に広めたとされている。日本へは1956年、アメリカから古代エジプトにまつわるエンドウの子孫として贈られた。花は赤の品種、マメの花は上方の大きい花弁を旗弁というがツタンカーメンのエンドウマメの旗弁は赤の品種に比べやや白い。莢は濃い黒紫色が特徴だが中の種実はエンドウと同じグリーンをしている。

豆ご飯にすると最初は普通の豆ご飯だが、保温時間がたつとご飯の色が赤飯のようにピンク色に変色する。なんとも不思議な現象だ。
ツタンカーメン王にまつわる古代のロマンとともに3000年の時を超えて発芽したという生命力の強さには感動する。と同時に、ご飯の変色にも驚かされる。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)


科目別の一覧